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故郷とは云いつつ ページ6

「ほら、此処がポートマフィアのビル!」



凄いでしょと何故か自慢げに云う彼にアンタが自慢できることじゃないだろと突っ込みたくなるが、事実としてそれは東京にも負けず劣らず──というか、東京のようにビル群ばかりではないそれは、私が見たことがないものだった。

ただし純粋に凄いですというのも何なので、まあ、なんて当たり障りない言葉を告げておく。



『で、如何するんです? まさか今から仕事させる気ですか?』

「う〜ん、私としてはそっちの方が凪ちゃんと一緒にいられるからいいのだけど、先ずは住むところを決めておかないと」



彼のことはもっともなので、私は彼の「あ、私の家に」と云おうとしたのを『ホテルで』という言葉でで遮った。太宰さんは苦笑する。



「冗談だよ」



実質すげえ傷ついているように見えるのは一体何なんだろうか。



「うん、じゃあこの近くにマフィア傘下のホテルがあるから其処に泊まって。寂しくなったらいつでもウェルカムだからね!」



太宰さんはそう云ってビルの中へと入っていった。私を置いて。とどのつまり置いて行かれたという訳である。周り全員がマフィアの癖に私一人だけ一般人という超異質な場など経験したことがないが(当たり前だ)、黒服の人──どの人も同じようにしか見えない──が物凄く礼儀正しそうな洗練された動きで、私をもう一度車の中に案内する。


……うわぁ、苦手である。こんな畏まった行動なんてされたことがない。


しかしホテルには本当にすぐ着いた。何か最上階へと案内され、促されるままに部屋へと入った。どう考えても一泊ウン十万しそうなぐらいに高級そうな部屋で、私の家よりも広かった。

こんなトコ泊まってしまって良いのかと思ったが、わざわざタダでやってくれるなら願っても無いことである。フッカフカなソファに身を投げ出せば、もう指一本ですら動かない。




──色々あり過ぎだ、本当に。




意味もなくうめき声をあげる。そりゃそうだろう。いきなり頭の上に車が降ってきて、太宰さんに会って、「マフィアになれ」って云われて。


……如何やら、私の体は思った以上に疲れてたらしい。ベッドに行こうかと思う間もなく、私の精神は深い眠りへと落ちていった。

太宰さんは本気でウザすぎる→←ノスタルジィに、レトロスペクティブに



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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/  
作成日時:2019年2月24日 21時

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