脳はクラクラ、負才でバラバラ - (非)日常編 - 44 ページ10
私が疑問を口にしようとした時だった。
後ろから首根っこを掴まれて、私の言葉は静止された。
崇「はいはーい、そこのお二人ー？なーに、コソコソとオレの話をしているのさ？あっ、恋バナ？」
咲「ち、違うよ！」
崇「うぐっ……そんなに勢いよく否定しなくてもいーじゃん……」
まったく、タイミングが悪いものだ。
完全に怪しいと目をつけられたのか、私はそのまま彼のマシンガントークに付き合わされる羽目になり、会話が終了したころにはぐったりだった。何故だか、彼とは喋るだけで疲れるんだよな……。
崇「はーっ、よくしゃべったー！ラリヴァー教の教祖様と対談できるなんて、使いちゃんは大幸運だねー！末代まで誇っていいよ！」
咲「……はぁ、そうだね」
もうツッコミを入れる気力もなく、私は適当に彼の言葉を流していた。道中、何を話されていたかもあまり覚えていない。真面目に話を聞くだけ損するからだ。彼の話の大体は嘘だってわかっているから。
崇「使いちゃん、オレの話3割も聞いてなかったよね」
咲「……え」
崇「使いちゃんは、初日から今日の今日までオレの事を全く以って信じていないみたいだ。まぁしょうがないよね、オレは嘘つきだし怪しいもんね！」
咲「えっと、それは……」
崇「別に、いいんだよ。それでも。使いちゃんの行動は当然だ。怪しい奴から人が離れていく、出る杭から打たれていく……そういうものだもん」
彼は何の感情も込めずに、そう言った。そこには怒りも呆れも失望も、何も感じられなかった。
崇「でも、ちょっと力を貸してほしい。オレは、使いちゃんを信じてるからね」
そう言うと彼は急に両手を前に出してこちらに向けた。
崇「使いちゃん、好きな方を選んで！」
咲「え……？なんで？」
崇「り、理由とかは良いから！右と左、好きな方を選んでくれればいいの！」
半ば強引な彼に私はそれ以上問い詰めることも出来ずに、適当に好きな方を選んだ。
咲「じゃあ……左」
崇「おっけー。助かるよ、使いちゃん。迷った時は左にする」
私にはその意味がよく分からなかった。話をちゃんと聞いていなかったせいだろうか。
私は疑問を残したまま、宿舎棟まで辿り着き解散することになった。
☆
時計を見ればもうすぐ夜時間。温泉で温まったのもあり、なんだかもう眠たくなってきた。
吸い込まれるようにして、ベッドに倒れ込む。なんだか今日は凄く疲れた……。
何を考える事もなく、私はそのまま眠りに落ちた。
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桜子(プロフ) - そなさん» コメントありがとうございます✨ここまで読んでいただけてとても嬉しいです！次週から裁判編へと突入していきますので、今後とも楽しんでいただけたら幸いです♪ (2023年3月25日 17時) (
レス) id: ec8bf151a4 (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - この作品を知ってここまで一気読みしてしまいました…。すごく面白いです、これからも頑張ってください！ (2023年3月23日 22時) (レス) id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おーすりー | 作成日時：2023年3月11日 9時
