第八十七夜 狐に化かされる ページ43
「バカな！？“銀狐”は俺が…ッ！」
「『“銀狐”は俺が人質に取ったはずだ』と、お前は言うだろう。残念だったな。どうだ？
「なに…っ！？」
手にしたナイフを横薙ぎに振るう頭領。隣に立つボク…“狐火”の見せる幻はゆらぁっと霧散した。
「ば、かな…、いったいどうなっている…！？」
「なに、焦らずともきちんと種明かしはしてやるさ。ひとまず『座れ』」
「ぐ…ッ、チッ…言霊か」
命令通り座り込む頭領。
言葉とは即ち“力”だ。ヒトの持つ最も単純にして強い力のある武器。相手を生かすも殺すも己の言葉次第。そんな言葉に妖力を込め、ボクたち妖族の誰もが扱える、文字通り武器と化したものこそが言霊。
「まず一つ。こうなることは知っていた…いや、視えていた、と言った方が正しいな。美雪の“未来視”でね」
起こりうる全ての未来の内、最善のそれを一つ選んで完全に再現する。そうすれば未来を把握したも同然。
「二つ。さっきも言った通りお前は
準備ができたボクは美雪の名前を呼んで、“千里眼”で安全を確認した美雪がボクの名を呼ぶ。これが合図。そして今に至るというわけだ。
「…なるほどな。それだけわかりゃ十分だ。
『言霊強制解除』！」
頭領がそう叫ぶと、頭領をとらえた言霊の鎖がバキリと音を立てて引きちぎられる。
立ち上がってニヤリと笑う頭領の首には、細い銀色の鎖につけられた紅い、淡く光る宝石のついた飾りが煌めく。
「残念だったな、“銀狐”！俺にはこの調教用具の核が授けた加護がある！これで万策尽きたな、天帝妖狐よ！！」
だから天帝妖狐ってなんだよ。
ドヤ顔を浮かべる頭領を一瞥して立ち上がる。
ふと、ボクの耳に足音が響いた。やっと来たか。
「白銀A！遅くなった、受け取れ！」
声の主は川澄。なぜフルネームなのかはあえて考えないとして、川澄が投げた“それ”が弧を描いてボクの元へ飛んでくる。
ボクの手の内に収まったのは、血のように紅い小さな宝石。これを見た頭領の表情が凍りつく。
「なぜだ…なぜお前も調教用具を持っている！？」
「お前らが使ってたのを拝借したまで。それに知らないようだから教えてやる。
これは調教用具じゃない。とある神具…いや、今となっては呪われた呪具だ」
御神籤の王子様 ver.氷帝
大凶らしいで？攻めるん遅いわ
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ノア(プロフ) - けとるさん» 協力ありがとう( ^ω^ )３番だねー！ (2015年12月13日 14時) (
レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
けとる(プロフ) - わし3がええ！ (2015年12月13日 10時) (レス) id: bfe4a96d52 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リオンさん» うわぁぁぁ感想もありがとうございます！１番ですね！これからもご愛読よろしくです( ^ω^ ) (2015年12月13日 8時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。1番がいいです。英検、更新 頑張ってください。 (2015年12月13日 0時) (レス) id: cfd12bcb7b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こにーさん» ご協力ありがとうございます(=´∀｀)人(´∀｀=)３番ですね！ (2015年12月12日 17時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2015年12月5日 14時
