第八十二夜 物騒な人の世 ページ38
頭領の言葉で下っ端たちは一斉に短刀のような刃物の鞘を投げ捨てて銀色の光を煌めかせる。
更には銃口を向けてくる奴もいた。
…物騒なものだな、人の世も。
「やれッ！」
合図がかかり、うおおおぉぉぉぉぉッ！と雄叫びを上げながら下っ端たちがある者は短刀を構え、ある者は銃を構え、思いも思いに突進してくる。
作戦なんて微塵もない。ただ捨て身の攻撃方。
「…生温い、ですわね」
意外にも先手を取ったのは黒川さん。
ナイフを構えて突進してくる先頭の下っ端の、ナイフを持った右手首を滑らかな動作で蹴り上げる。その勢いで宙を舞うナイフ。それには目もくれず独特な型で下っ端を突き、相手が白目を剥いて倒れた。
そして降ってくるナイフの柄を片手で掴んで先程の一言。確かに生温い。
それにこの型は…古武術か？
「たかだかこれだけの策でわたくし共に勝てるとでもお思いでしたか？このようでは白夜様はおろか、わたくしにも勝てませんわね」
そう言った黒川さんは同じ動作でもう一人からもナイフを奪い、両手にそれぞれを双剣のように構えて敵陣に突っ込んでいった。
なんだ、武闘派じゃないか。軽く赤也の好きなバトル漫画と化している気がする。
あとで聞いた話だが、先程のはやはり古武術で、日吉に護身程度に教わっていたらしい。まさかこんな場で活躍するとは、と本人も苦笑いしていた。
まぁ黒川さんの方はさして問題がないだろう。現に敵陣から情けない男の悲鳴ばかりが響いてくるし。
というわけで目線を神風の方に向ける。
…と、同時に銃声。こっちは銃撃戦のようだな。
どこのSF映画だ、と言いたくなるくらいに敵陣から銃弾が飛んでくる。
「…民間人の銃及び武器の所持は日本国憲法第９条で禁止されとるハズなんやけどな」
面倒そうにぼやきながら、神風は飛んできた銃弾を素手で掴む。力を込めて握るとゴリッと音がして、掌が広げられると粉状になったそれがパラパラと落ちてきた。
それを見て顔を引きつらせる敵陣。
まぁそうだろうな。無理もない。どんだけ怪力なんだよお前は…
「んじゃ、やられっぱなしも癪やし反撃行かせて貰いますわ」
ヒュッとオーケストラの指揮のように、軽く指を振る神風。彼の前で可視化できるほどの風が渦巻いて、かまいたちと化したそれが一気に放たれた。
下っ端たちの服や表皮を切り裂くだけの威力だが、半分くらいの奴が泡を吹いて倒れた。
…どこのバトル漫画だよ。
御神籤の王子様 ver.氷帝
大凶らしいで？攻めるん遅いわ
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ノア(プロフ) - けとるさん» 協力ありがとう( ^ω^ )３番だねー！ (2015年12月13日 14時) (
レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
けとる(プロフ) - わし3がええ！ (2015年12月13日 10時) (レス) id: bfe4a96d52 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リオンさん» うわぁぁぁ感想もありがとうございます！１番ですね！これからもご愛読よろしくです( ^ω^ ) (2015年12月13日 8時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。1番がいいです。英検、更新 頑張ってください。 (2015年12月13日 0時) (レス) id: cfd12bcb7b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こにーさん» ご協力ありがとうございます(=´∀｀)人(´∀｀=)３番ですね！ (2015年12月12日 17時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2015年12月5日 14時
