第八十一夜 満月の夜の復讐 ページ37
足音が響く。
月明かりが照らすだけの暗い廊下を、先頭を歩く川澄の持った明かりが放つ柔らかな橙色の光が照らした。
「…準備は」
「わたくしは構いません」
「オレも問題あらへん」
声をかけて確かめ合い、更に歩を進める。
廊下を抜け、出口が正面に見える大広間のような場所でボクたちは立ち止まった。
「…洒落臭いじゃないか」
奥の扉から頭領と子分１、３に大量の下っ端たちが出てくる。結構多い。
「樹…なんのつもりだ？」
「気安く名を呼ぶな。俺は貴様の…堀越晴人の言いなりにはならない！」
…そんな名前だったのか。まぁ頭領で良い、面倒だし。
川澄の言葉を鼻で笑い飛ばした頭領はボクたちへ目線を向けてドヤ顔をかます。
「“銀狐”の策略か？舐めた真似をしてくれる。
愚かにも俺たちに歯向い生き地獄を味わうか、俺たちに降伏し少しでも長く生きながらえるか選べ」
勝ち誇った笑みを浮かべる頭領と子分１、３。
計画通りだ。
「……愚かな」
俯いて口角を吊り上げる。
全員“演技”のスイッチを入れ、満月の影響で赤く染まった目を頭領たちに向けた。
同じく深海のように深い青へと色を変えた黒川さんの瞳も、いつもと変わらない神風の猩々緋色の瞳も、ボクと同じくように殺意のこもった視線を投げかける。
「よく聞け。
ちっぽけな木の葉の言葉に耳を傾けるのが
…否。汝らが我らと交渉など片腹痛い。
覚えておけ。我らが汝らに取るは破滅と絶望のどちらかだ」
殺意を含んだ低い声を紡ぐ。
完全なる殺意に思わず数歩後ずさった頭領たちは取り繕うように大声で吠えた。
「フッ…遂に本性を現したか」
「ほざけ。小さき存在である汝に貸す耳なぞない」
「な……ッ！たっ、たった３匹で何ができる！俺たちゃ100人以上いるんだ！！」
「……そちこそ、たった百余名で何ができると言うのだ？」
その言葉に、怒りで顔を真っ赤に染めた頭領が声を荒げた。
とはいえあいつらの中では、ボクたち＝邪・自分たち＝正義の等式が成り上がっていることだろう。
人とはどんなに綺麗事を並べても自分が大好きで、大切なんだ。その傲慢に漬け込むとしよう。
「…やれ！こいつらはそう簡単に死なねぇ！殺すつもりでいけ！」
「そちらがその気ならこちらとて容赦はせぬ。殺しは不要。だが邪魔とならば…屠れ、葬るが良い」
「…御意、貴方様の言うままに」
「ほな、暴れたりましょ」
御神籤の王子様 ver.氷帝
大凶らしいで？攻めるん遅いわ
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ノア(プロフ) - けとるさん» 協力ありがとう( ^ω^ )３番だねー！ (2015年12月13日 14時) (
レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
けとる(プロフ) - わし3がええ！ (2015年12月13日 10時) (レス) id: bfe4a96d52 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リオンさん» うわぁぁぁ感想もありがとうございます！１番ですね！これからもご愛読よろしくです( ^ω^ ) (2015年12月13日 8時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。1番がいいです。英検、更新 頑張ってください。 (2015年12月13日 0時) (レス) id: cfd12bcb7b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こにーさん» ご協力ありがとうございます(=´∀｀)人(´∀｀=)３番ですね！ (2015年12月12日 17時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2015年12月5日 14時
