第七十八夜 即席電池 ページ34
小さいビーカーの中でボコボコと音を立てるそれを、170前後の大男数名(約１名雌)と小柄な女子。
「即席電池…」
「ぶっつけ本番だが上手くいってよかった」
薄い塩酸の中に銅板と亜鉛版を入れればなんとびっくり即席電池の出来上がり！…らしい。
黒川さんと神風曰く中学１年の科学で習うそうだが、ボクの場合は柳生が勧めてくれたミステリー小説からの受け売りだ。
あとで柳生にお礼言っとこ。
「川澄さん、充電器貸してくださってありがとうございます」
「………フンッ」
わざわざ充電器を持ってきた川澄に黒川さんが柔らかな笑みを浮かべて礼を言うと、川澄はフイッと顔をそらす。
ほんっとに可愛げがないな、お前は。
「でもこの量で足りるかが心配っスね」
「それなんだよな…」
見つけた銅板も亜鉛板も凄い小さい。正直もつか心配なくらいだ。黒川さんの携帯電話が復活するくらいは大丈夫だろうと踏んでいるが…
「おっ、復活したやん」
「復活こそしたものの連絡を入れるには心もとない充電量だな…」
画面が明るくなった黒川さんのスマートフォン。
操作してパスワードを解除するとすぐさま大量の着信履歴に全員が顔を引きつらせた。
…大事にされてるな、黒川さん。
「芥川さんからの連絡もあります…珍しいですわ」
芥川…？知らない奴だな。
そもそもボクが氷帝へ行った時にいたか…？
なんて考えているとピロンッと電子音を立てて震える黒川さんの携帯。
「…跡部さんからのメッセージですわ」
「めっちゃタイミングええやん」
「内容は？」
「えっと…」
黒川さん曰く内容はこう。
『ようやく繋がったぜ。電波を拾って場所は把握した。今から迎えをよこす。そこから動くんじゃねぇぞ！あとこのメッセージに返答は不要だ』らしい。
跡部…お前何者だよ。
「…」
「……」
「………」
「流石跡部さんですわ！」
ボクと神風、川澄が絶句する中黒川さんが嬉しそうに耳をピコピコ動かした。
まぁ…何はともあれ安全確保？か。
「迎えが来ようが出なければ意味はない。
実行は今夜だ。異議ある者ははいるか」
川澄の言葉に首を横にふる。
うまい具合に今宵は満月だ。生憎神風は新月に力が高まるタイプだったがボクと黒川さんは満月タイプだから部がいいだろう。
御神籤の王子様 ver.氷帝
大凶らしいで？攻めるん遅いわ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノア(プロフ) - けとるさん» 協力ありがとう( ^ω^ )３番だねー！ (2015年12月13日 14時) (
レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
けとる(プロフ) - わし3がええ！ (2015年12月13日 10時) (レス) id: bfe4a96d52 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リオンさん» うわぁぁぁ感想もありがとうございます！１番ですね！これからもご愛読よろしくです( ^ω^ ) (2015年12月13日 8時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。1番がいいです。英検、更新 頑張ってください。 (2015年12月13日 0時) (レス) id: cfd12bcb7b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こにーさん» ご協力ありがとうございます(=´∀｀)人(´∀｀=)３番ですね！ (2015年12月12日 17時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノア | 作成日時：2015年12月5日 14時
