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傘をさしながら、俺は校門を出た。
南A、だっけ。
其奴と、俺は今日出会った。
場所は、一年生の時木津川先輩に教えて貰った『放送部屋』。
今日俺が其処に行った理由は二つある。
一つは今日が雨で、屋上が使えなかったから。
もう一つは…………
赤司に、出会ったから。
昨日、話を持ちかけられた時点では戸惑いだけが強かった。
赤司の言っていた事は有難いのか否かの前に、只々現実味が無かったのだ。
一日が過ぎ、取り敢えず練習を見てみようと言う気には成ったが、誰にも見られたく無い。
そんな時、あの部屋をふと思い出したのだ。
…………木津川晴矢。
三軍から始まり、一年で二軍、二年で一軍、三年で主将へとトントン拍子に昇格して行ったかなり有名な先輩だ。誰もが憧れる道を辿って来た人物でも有る。
一軍には慢心な奴らが多いが、彼だけは違っていた。
其れに伴って周りの人も次々と変わって行き、あの代は無敵其の物であった。
一生懸命な強さ。
だから皆、彼を純粋に尊敬するのだ。
けれど。
あの人が去ってから、洛山はまた元の状態に戻りつつある。
勝利するのが当たり前なだけの、そんな無敵さ。
其の中で己の弱さを痛感し、俺は迷い無くバスケ部を去った筈だった。
なのに。
何故、今更迷っているのだろうか。
一体、何に。
…………明日も、南は居るのだろうか。
無言だった俺を気にもせず、余計な口出しも一切せず、彼女は唯バスケを見ていた。
普通の人なら直ぐ飽きる様な光景を、何時迄も真剣な表情で。
其の様子が、俺には新鮮だった。
…………其れだけだ。
明日も彼処へ行く理由なんて、其れだけで十分である。
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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました！赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (
レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください！！ (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nome | 作成日時：2015年3月31日 20時
