【マギ】神出鬼没なマギ2.〜王の器になるべき者〜

第67夜 一人の王の思惑 ページ18

「ジャーファル」

「どうかしましたか？」

「2日ほど前の戦い。
俺の方が強かっただろう…？」






そう問うと、
苦笑しながらも賛成してくれる。







この質問は今回で何回目になるのだろうか？

2日ほど前の魔装対決。
技も力も彼女より圧倒的に強かった。





「嬉しそうですね？シン…」




その事を思い出すとつい笑みが零れてしまう。


あぁ。
戦いの最中にもこんな笑みが零れたな…。









だが一つ、疑問がある。


あの戦いで強さの差は歴然。
ユナンに俺の強さを見せつけると共に、
彼女の弱さを見せつけるいい機会となった。


なのに何故だ。
なぜユナンは彼女に着く。
なぜ俺の方に来ない！！








「なぜだ…！！」



クシャリ…。
執筆中の紙が手の中でクシャクシャになる。





ユナンは彼女…、
確かAと言ったか。


その者から離れない。
何をどう頑張っても俺の方に着かない。









どうすればいい。
どうすればあの2人は離れる。
どうすればユナンは此方へ来る…!!









…。









あぁ。そうだ。









ユナンを彼女から剥がすのではなく、
彼女をユナンから剥がせばいいのだ…。









「まずは交渉でもしてみるかな？」









茜色に染まる午後。
今、一人の王の思惑が動き出そうとしていた。

第68夜 南海生物と銀髪→←第66夜 それが偽りの姿でも…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す