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第66夜 それが偽りの姿でも… ページ17

張り詰めた空気を感じ取ったのか、
ユナンが杖を机に置き椅子に座る。


そこには僕の金属器もあって…。




「誤解?」

「そうだよ。
彼は大きな誤解をしているから…」




そう、彼は誤解をしている。
あってはならない誤解を…。



「その誤解…、僕も聞きたいな?」



そう言って軽く微笑むユナン。
その微笑みで、
さっきまでの空気が嘘のように緩和されていくのを感じた。





「偽善者…」

「ん?偽善者?」

「そう、言ったんだ」






シンドバッドさんから鍛錬のお誘いを受け、
承諾した後。

ふらつく頭でも、確かに聞こえた。






『お嬢さんは知らないかもしれないが…』

『…?』

『貴女を迷宮へと導いたユナンは…、









偽善者だ』









その事を話すとユナンは…、

「ふふふ。偽善者か。間違ってはないね…」

なんて悲しそうに笑うんだ…。







は?
間違ってない?






「大間違いでしょ!!」


ユナンの肩を持ってガクガクと揺さぶる…。





「だってユナン、気にかけてくれたじゃん!」


『じゃあね!シンドバッド!
僕達は今からマギ同士の話をしてくるからさ!』


「書物庫の時、僕の方を見てくれたじゃん!
あれはマギである僕を気にかけてくれたん
でしょ?」





それに、
僕の看病もしてくれたし!!




だから…、
だから…、




「ユナンは偽善者なんかじゃない!!歴とした善人だよ!!」


「書物庫の件は認めるよ。
でもね、君の知らない所で僕は偽善者かもしれ…」

「それでもいいよ!!」

「君に見せている姿が偽りかもしれ…」

「それでもいいよ!!」









それでもいいよ、ユナン。









たとえ僕が見ている君が偽りでも、
僕は君の真の優しさを知っているんだから…。









僕なんかより、ずっと優しい君を…。








「ありがとう…。A…」

「主…」









たとえそれが偽りの姿だとしても…。









僕が信じた君に変わりないんだから…。

第67夜 一人の王の思惑→←第65夜 誤解を解きたくて



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千年彗星 - 花臨さん» コメントありがとうございます(*^^*)進○の巨人にもそんなシーンがあるんでしょうか?よく知らないので時間の合間に読んでみようかと思います(*^^*) (2015年10月5日 0時) (レス) id: c561c3ef2a (このIDを非表示/違反報告)
花臨 - 凄く面白いです!更新を毎日楽しみにしてます! 89話「人間です」……進●の巨人ですかね(笑) (2015年10月4日 13時) (レス) id: 932ef91d5e (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - 紅鈴さん» コメントありがとうございます!更新率遅くてごめんなさい!!そう言ってもらえるととても嬉しいです(*^^*)頑張ります!! (2015年7月24日 21時) (レス) id: 81bd355fba (このIDを非表示/違反報告)
紅鈴(プロフ) - 千年彗星さん» いつも更新するのを待ってます!頑張って下さい!!v(*⌒0⌒)v頑張って♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: da4cbf1016 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - まめもちさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できませんが精一杯尽くします! (2015年7月19日 17時) (レス) id: 3062e15b98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年2月3日 23時

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