【マギ】神出鬼没なマギ2.〜王の器になるべき者〜

第55夜 違いなくて ページ6

太陽が真上を通り過ぎ、
今はどうやらおやつ時の時間。









そんなことに気づかされたのは
今からそう遠くはない時間だったはず。








「それでな、此処シンドリアは…」





一人で話を進めながら
僕の横を歩くのはこの国の王、
シンドバッドさん。




さっきからシンドリア自慢の話が尽きることなく話される。





はっきり言って、
大して興味の無い事だから




「へぇ〜」




なんて言う、
適当な相槌をさっきから打っている訳で…。




「南海生物が出た時は、
謝肉祭が開かれるんだ！！」



はい。
それ聞くの今回ので5回目でーす。




「何ですか。馬鹿なのでしょうかこの人は」

「ニャ〜」



何回も同じ話されるから皆飽きてきてるよ…。
クロなんか欠伸連発してるし…。





あ〜。
逃げたい。




けれど、
こんな人でも一国の王で在るには違いなくて。



国民の笑顔が絶えないのもこの人が王で在るからに違いなくて。



だから失礼な事はしたくない。



それに、
何回も同じ話をしてしまうほどに謝肉祭と言うものは楽しいのだろう。









長い長い廊下をひたすらに進んでいくと、
目の前に姿を現す豪華な扉…。



見ただけで分かる。



此処から先は許された者だけが入ることの
許された空間なのだと…。






「さぁ、どうぞ」





そう言って扉を開けてくれるシンドバッドさん。









「王の器同士、
楽しい話でもしようじゃないか…」





そんな彼の横を通り過ぎる時、
確かにそう、
呟くのが聞こえた。

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