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エピソード90 ページ47

「……」

私はお気に入りの布でできた袋が貰えたことよりも。
兄の気遣いがうれしかった。
だから。
考えるより先に体が動いた。

「ありがとう!」

言いながら、私は兄の体に飛びついていた。

覇「うわっ! 久しぶりに抱きついてきたねぇ」

ちょっと意地悪な笑顔。……だけど嬉しそうな声。

覇「今日からの山越え。たぶん大変かもしれないけど、何かあったらAは僕が守るから」

頑張ろうね? まるで子どもに言い聞かせるように言われた。

ときには腹立つ子ども扱い。
でも。
――今は構わなかった。

それはきっと、紅覇お兄ちゃんの気遣いがあったから。
普段はふざけて、沢山嫌がらせもされる。
けど。
本当に必要なとき、この兄は必ず私を大切にしてくれる。
旅を通じて、兄への信頼がはっきりと育ちつつあった。
願わくは、城に帰ってからもこの信頼を壊さないで欲しい。

(……まぁ、そこをぶち壊すのが紅覇お兄ちゃんなんだろうけど)

少し苦笑する。
だけど、今は。……少し年上の兄が妹を守ると言ってくれる。
紅覇お兄ちゃんは私の義理の兄なのだから。
きっと私はいつまでも年下の存在で、幼く見えている。
……炎兄の妹扱いは、嬉しい半面、恋する乙女としてはちょっと複雑。
だけど、紅覇お兄ちゃんの妹扱いは、ただ、嬉しかった。

だから、

「はい!」

と頷いた。

先ほど思わず抱きついてしまった体を、少し離して。
まっすぐお兄ちゃんを見つめて。


==========================================
【御礼 05/25】
A様、ここまで読んで下さって有り難うございます。
炎兄はだいぶメモ帳でストックはあって、公開時に加筆修正をしています。
結果……もう断言できます。
この頁で、北東郡に辿りつきません。
たぶん、手前で次ページへの誘導になります。
ど、どうか今後も呆れずにお付き合いください(滝汗)

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設定タグ:マギ , 練紅炎 , 煌帝国   
作品ジャンル:アニメ
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一花(プロフ) - 練 雛姫さん» いえいえ(^^) こちらこそ、有難うございます。これから、宜しくお願いしますね! (2014年7月27日 19時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
練 雛姫(プロフ) - 一花さん» 出来ました!有り難う御座います!!これから宜しく御願いします(*^▽^)/ (2014年7月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 6f946666e9 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» いえいえ! 雛姫さんの、こみゅ〜のページで、「友達リスト」をクリックすると、申請者に、きっと一花がいるはずなので、許可をぽちっとしてやってください(^^) (2014年7月26日 21時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
練 雛姫(プロフ) - 本当に申し訳無いのですが友達申請ってどうすれば受理できるのですか?(;_;) (2014年7月26日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f946666e9 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» そ、そこまで喜んでくださると、本望です。アカウントをお持ちだったようですし、友達申請出しますね。独り言だらけですが、宜しければ、受理してくださいませ! (2014年7月25日 15時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一花 | 作成日時:2014年4月6日 19時

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