地獄手記/十七 ページ21
金属音は鬼灯の金棒とAの隠し持っていたドスがぶつかり合う音だった。
戦いになれているふたりは軍人のように各々の武器を奮った。
A『いいねぇ、そう来なくっちゃ』
余裕の表情を浮かべるAはもう片方のドスを取り出し鬼灯の喉を狙う。
しかしそれは使い慣れた鬼灯の金棒により防がれる。
鬼灯「詰めが甘いですね」
A『言うねぇ、みなしごの分際でさ』
鬼灯「────ッッ!!!」
鬼灯がみなしごと馬鹿にされるのを嫌っているのをAは知っていた。それを利用し鬼灯の冷静さを無くそうというのであろう。
鬼灯は眉を顰める、それと同時にどこか切ない顔をした。
しかしその程度で屈するほど鬼灯は弱くはない。
「フッ」という互いの息をつく音と金属音、そして言霊の呪いの言葉だけがその場に聞こえていた。
「ぁ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……『た、すけて…おと、さ…ん【怖いよ…】』おな、かすい……」
鬼灯は、ふと言霊の声を聞いてみた。
すると。
『ア゙ア゙ア゙ア……や、だ……【辛いよ…やだよ……『丁くん』《ウワァァアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙》】』
鬼灯「!?」
鬼灯は、聞き逃さなかった。
なぜ、私の前の名前が、なぜ?わからない、なぜだ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ。
『丁くん』言霊はそういった。
A『隙ありィ!!!!!』
鬼灯「!」
鬼灯の頬に一筋の赤い線ができる。
そこからは毒々しいほどに真っ赤な血が流れた。
しかしそんな痛みより、言霊の声が気になってしまった。
そして鬼灯は一つの答えにたどり着く。
鬼灯「その言霊は……【貴女自身】です、Aさん」
突然ですが、ここで言霊と一体化したAさんを載せておきます。粗雑で申し訳ありません。
77人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロード(プロフ) - 第二幕楽しみです!!続きが気になります! (2014年4月2日 9時) (レス) id: 8adf4c43ee (このIDを非表示/違反報告)
桜狗鬼 - 第二幕、楽しみにしています (2014年3月26日 12時) (レス) id: 6786725dbf (このIDを非表示/違反報告)
ハート(プロフ) - 良かったです!頑張って下さい!あと私も書いてるんで見てください (2014年3月20日 18時) (レス) id: cc78f0ff97 (このIDを非表示/違反報告)
ヨルノ - 更新楽しみにしています♪ (2014年3月17日 22時) (レス) id: f30c551a70 (このIDを非表示/違反報告)
コマ - 更新が少し遅めですね…。リアルが忙しいのですか?それならば、首を長くして待っております。 (2014年3月15日 10時) (レス) id: f30c551a70 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏折 | 作成日時:2014年1月27日 19時