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地獄手記/十二 ページ15

鬼灯side


あの人の叫び声が、かすかに聞こえた気がした。


鬼灯「…A、さん?」

義経「え?どうなされました?鬼灯様」

鬼灯「いえ、知り合い声が聞こえた気がしまして…何かあったのでしょうか…」

空耳だと信じたいが、何故かそう信じきれない私がいる。
義経公は「行かなくて大丈夫ですか?」と聞いてくるが彼女のことだ、自分の身は自分で守るであろう。
それに私が助けてしまっては彼女にとっては屈辱にしかならない。

鬼灯「大丈夫です、先を急ぎましょう」



数十秒のうちに現世へとたどり着く。
私は変装用の帽子が飛ばぬよう、手で押さえながら雲から飛び降りた。

するとまた、彼女の声が聞こえた気がした。

鬼灯「──Aさん居るのですか?」

ふと呼びかけをしてみるが、返答はなく代わりに風がびゅおおおっ、と大きく吹いただけだった。


鬼灯「…当たり前、ですよね…」

そういうと、私は作戦通り森の中から神社へと忍び寄る。
あの人は随分と変わってしまった村があったが、あの祭殿だけは変わらずそこに居座り続けている。
なんとも重々しい雰囲気が醸し出されていた。


鬼灯「Aさんがみたら、どう思うでしょうか…」

そうつぶやいたその時。


『うわあああああっ!!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!』

突然叫び声が響いた。

鬼灯「!?」

何だ、今のは…。聞き覚えのある、あの声、まさか。

まさか!!


鬼灯「Aさん!!」

私は作戦のことも自分の身のことも忘れ、森から飛び出した。反射的に彼女の名前も呼んでしまった。

私が行かねばならない気がした、行かなければ彼女が危ない気がした。


わたしの頭の中はただそれだけだった。



森を抜けると、神社が目の前にあった。
そして神社の中からずるずると出てくる黒く、禍々しい言霊、そして


倒れ込むAさんの姿だった。

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設定タグ:鬼灯の冷徹 , 鬼灯 , 夏折   
作品ジャンル:アニメ
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ロード(プロフ) - 第二幕楽しみです!!続きが気になります! (2014年4月2日 9時) (レス) id: 8adf4c43ee (このIDを非表示/違反報告)
桜狗鬼 - 第二幕、楽しみにしています (2014年3月26日 12時) (レス) id: 6786725dbf (このIDを非表示/違反報告)
ハート(プロフ) - 良かったです!頑張って下さい!あと私も書いてるんで見てください (2014年3月20日 18時) (レス) id: cc78f0ff97 (このIDを非表示/違反報告)
ヨルノ - 更新楽しみにしています♪ (2014年3月17日 22時) (レス) id: f30c551a70 (このIDを非表示/違反報告)
コマ - 更新が少し遅めですね…。リアルが忙しいのですか?それならば、首を長くして待っております。 (2014年3月15日 10時) (レス) id: f30c551a70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏折 | 作成日時:2014年1月27日 19時

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