秋空恋模様【白布賢二郎】 (ページ6)

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ろくページ6

『この問題教えて下さい！』

あれから数日経って、白布くんとはそれなりに仲良くなったと思う。

お互いのことを少しずつだけど確実に知っていってるし何より口下手な私にはメールが一番。

メールで話す内容は本当にくだらないことだけど、それが楽しい。

好きな食べ物とか部活のこととか色々話したり聞いたり。

『部活終わった？』

『終わりました。』

『お疲れ様～。今数学の予習してたんだけど、飽きちゃったから。』

『受験生に飽きたは通用しません。』

年下なのに私より大人っぽくて、頭も良くて。

基本冷たいんだけど、たまに優しさがにじみ出る。

『白布くんは、一般受験だったよね？』

『はい。』

『どうやって……集中してた？』

『目標があったので。』

よく話してる牛島さん、とかいう人のいる学校に行くために物凄く勉強したんだよね。

「目標……かぁ」

『じゃあ、課題に戻るね。』

日常会話も文字にしてみると特別に思えてくる。

このもどかしい距離が楽しい。

「なんて……さ、予習しよう」