プロデュース科として ページ11
｢……い、……ぱい、先輩！｣
｢……ん？｣
隣のベッドからあんずちゃんが私を呼んでいた。
見たところスバル君たちは教室にもどったのだろう。
｢起きてからぼーっとしてたので。｣
｢ごめんね。それでどうしたの？｣
｢先輩。私、プロデュース科の後輩として先輩のこと知りたいなって思うんですけど……｣
｢そうだね、これから2人で頑張って行くわけだからね。答えられる範囲で答えるよ。何が知りたい？｣
｢名前です！｣
｢…………へ？｣
名前？なまえ？name？
あっ
｢そっか、私まだ自分で名前言ってないね。ごめんごめん｣
｢朔間A、苗字呼びじゃなかったらなんでもいいよ。多分というか、確実に後で困ると思うから｣
｢？分かりました。A先輩！｣
｢あと他には？｣
｢前、先輩はアイドル科だったんですよね？｣
｢そうだよ｣
｢詳しく話さなくて大丈夫なので簡単に何があったのか教えてくれませんか？｣
……本当に悩む話だ。
本来なら話さない。けど私が変わらなきゃ。
それにあんずちゃんはプロデューサーとしてやっていくためにこう向き合っているんだ。私が目を逸らしちゃダメだ！
｢……分かったいいよ。｣
そう、簡単にかつ分かりやすく。
｢私は中学の時ダンスコンテストで日本一になった子にお願いされて歌の技術を競うコンテストにでてね私も日本一になったの｣
｢そのあとその子と組んでデビューした。エースっていうユニット名でね｣
｢そして私達が出たコンテストでそれぞれで2位だった2人もデビューした。たまたま同じ学校でね。そういうのもあって私たちはよく競うようになった。その後私達Aとf(フォルテ)は同じチームになってCrown(クラウン)になった｣
｢その後全員同じ夢ノ咲学院に入学した。結果も残した。｣
｢そして私達は五奇人と共に革命に巻き込まれてバラバラ｣
｢Aは私だけもう1人は不登校。フォルテは2人とも転校したよ。従兄弟と同じ学校に行けって言われたらしいんだよね。今も芸能活動してるかすら分からない。｣
｢……せめてAの朔間Aでいたくて。私はプロデュース科として成し遂げなければならない。だって楽しくてキラキラした自分の青春を夢物語で無かったことにされたら誰だって嫌でしょ？｣
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作者名：りんご | 作成日時：2020年4月14日 1時
