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正義 ページ21

「Aサン、来てくれたんですね」


「用件はなんでしょう」


「まぁまァ、そんな怖い顔しないで」


睨んでも可愛いだけですよ


なんて馬鹿にしたように下品に笑う男に
私はある日、本局の屋上に呼び出されていた。



「ねェAサン。
僕は貴女の事が好きなんですよ」


「…いきなりなんですか」


「今の貴女も好きですが…やはり前の貴女のようが魅力的ですかねぇ」


「…」


殺されたいのかコイツは。




…みんな、みんなそう言うんだ。




"変わったよね"


"前の方が良かった"









(私は、私なのに)




助けるために、守るために、


強くなるためには


しょうがなかったことなのに。





(これは、その代償だった)




随分と短くなった黒髪を通り風に遊ばせて
もう一度男と向き合う。



「まぁ、僕なら貴女の全てを
受け入れ愛せますが」


にこりと歪んだカオに反吐が出そうになる。




「それに…」


「僕の手で赤黒く染まった
貴女もまたそそられますし」


「僕のモノっていうカンジでね」



引き寄せるその手つきとは正反対に

口付けだけはいつも、恐ろしくやさしかった。


次に首にもキツく唇が落とされ

やさしいカオをした旧多二福と目が合う。





「僕のコト好きですか?」



「そんな訳無いでしょう」



「即答!流石に悲しいですよしくしく…」


「…まったく、一途ですよねぇ」


「__まだ、佐々木が好きなんですかぁ?」



男の顔面に向けて
私が常備していたナイフが飛ぶ。




「_"今度"また、一度だけ
同じ質問をします」




そのナイフの刃を掴んだ男は、
それを易々と折って見せた。







「その時、回答が今と違っていなければ…」



















「_張り切っちゃいましょうかねぇ、ボク♡」









それは、私に自由なんてないことを意味した。









_正義のないところに自由はなく

自由のないところに正義はない_






こんな時に、昔読んだ本の一節を思い出した。









つまり、





最初から私に正義も自由も

存在しなかったんだ。



















「正義なき力は圧制だ」





「力なき正義は無能だろうが」









.









.









.









そして、物語は最終章へと加速する_____
















「待っててね、A」









第二章 無能 __ 終

この小説の続きへ→←第六幕 終



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あちゅ(プロフ) - つ、続きが…気になりすぎる!!!!! (2018年5月21日 3時) (レス) id: 21ec6c9989 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが見たいです (2018年5月12日 21時) (レス) id: a5de77afb3 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ面白いです!続き気になります(( (2018年3月31日 21時) (レス) id: 09905f0f4e (このIDを非表示/違反報告)
blackReaper(プロフ) - くっそ面白いのに終わりなんですか... (2018年3月21日 5時) (レス) id: 28830f5cdf (このIDを非表示/違反報告)
- とても感動しました!素晴らしい作品でしたこれからも応援してます (2018年3月10日 19時) (レス) id: e17635b3c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透夏 | 作成日時:2017年12月31日 16時

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