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私は、マチさんに担がれてアジトと呼ばれた廃棄の中へと入る。
ところかしこに穴や蜘蛛の巣がある。
うぅっ…怖いぃ…
自分でも、結構強いと思ってたんだけどなぁ…
私はグスッと鼻を鳴らす。
そんな私の頭を、マチさんは撫でる。
マチさん、意外と優しいのかも…
てってれーん、マチさんへの好感度が10上がった!
「ただいま。」
「おっ!おつかれー。」
「誰だ?そいつ。」
シャルナークさんが部屋に入ると、黒髪長髪さんとゴツい人が声をかけてきた。
さむらいさん…?
私は、前に読んだ本に出てきたさむらいと言う人と、黒髪長髪さんを頭の中で照らし合わせた。
…うん。さむらいさんだぁ。
「こいつ…A、だっけか?が会場に居たんだよ。私が気に入ったから連れ帰ってきた。」
「って言うのがマチの意見ね?僕達はこの子が念を使えるから連れ帰ってきただけ。」
「ほーん、こいつ、念使えんのか。お前、名前は?」
さむらいさんの言葉に、ここにいた全員の視線が私に集まる。
『A…です。』
「おうおう、そう長くない命だと思うが仲良くしよーぜ、A!」
そうガハハと笑った大きい男の人。
いま、さらっと死ぬって言ってなかった?
あれ?聞き間違いかな。
私が身をすくめると、急に背後から誰かの気配がした。
…!?お父さんと同じくらい…いや、それ以上に絶が上手い…!?
「マチ、そいつは誰だ。」
「あ、団長。」
「こいつはAだ、団長。私が気に入ったから連れ帰ってきた。」
「…こいつ、念使えるネ。」
『あ…と…はじめまして…』
私の言葉に、だんちょーと呼ばれた人は、目を細めた。
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作者名:ふぃあろ・宮夢 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uekukz/
作成日時:2020年11月9日 21時