platonic love... (ページ16)

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日差しが眩しく、ゆっくりと目を開ける

「あれ、及川達いねーわ」

『え？』

辺りを見渡してもその人物らしき人は見当たらない
するとお兄さんがスマホを取り出した

「あいつ･･･」

『なにか連絡ありました？』

「あ、いや。2人先に観覧車行ってるってさ」

待たせちゃったから仕方ないか･･･と思い

歩いてくお兄さんの後ろをついていき
観覧車のチケットを係員に渡し、案内される

対面で席に座ったものの
2人きりという空間を意識しすぎて
緊張のせいか、顔が熱くなるのがわかる

1人脳内で慌てふためいていると
いきなりおでこに手を当てられる

『？！』

「顔、赤いから熱でもあるのかと思って」

『こ、これはっ、緊張してて･･･』

「俺に緊張すんの？」

笑いながら目の前にしゃがみ私の目を見つめる

心臓の音ってこんなに聴こえるものだっけ･･･？
もしかしたらお兄さんにも聴こえてるんじゃないか
そう思うと一気に恥ずかしさが増し、
なんとかして気を紛らわそうと外に目をやるも
想像以上の高さで怖くなり視線を戻し、深く息を吐く

『男の人に免疫がまったくなくて･･･。幼い頃ならよく遊んだりしてたんですが･･･高校に入ってからはまともに会話なんてしたこともなくて。苦手ってほどじゃないですけど、なんか緊張しちゃうんです。』

気持ちとは裏腹に言葉が口からスラスラと出て行く

『お兄さんは、良い人だって知ってますけど、やっぱり緊張しますね･･･っ』

「それって、つまりは俺を男として見てるってことだよね？」

返ってきた言葉に思考が止まる

「それにお兄さんじゃなくて、ちゃんと一静っていう名前があるんだけど」

『あ、の･･･』

「わかりにくかったね、お兄さんじゃなくて〝一静〟って呼んでくれる？」

止まっていた思考がゆっくりと回りだす

『いっ･･･せい、さん･･･？』

「ん。よくできました。」

そう言いながら私の頭をぽんぽんとして微笑む

その後も、無口なタイプなのかと思っていたが
案外喋ってくれて、話も弾む

先程までガチガチだった緊張もいつの間にか解けていた

もっと話したい
そう思うも、観覧車は下へと到着する

ドアが開き、外に出ようとすると
体が後ろへと引き戻される