platonic love... (ページ17)

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「係員さんごめん、もう一周お願い」

何が起きたかわからなかった
ただ、開いたはずのドアが閉められ
周りの景色がまた少しずつ小さくなっていってるということ

『え･･･？』

「ごめん、もっと話したくて」

焦ったところで何も変わらない、と思い
冷静に席へと腰掛ける

「俺ってさ、老けてるって言われるのね顔が」

いきなり何かと思えばとは思ったが
相槌をうち、聞き手に回る

「幼い時に好きだった女子におっさん呼ばわりされてさ、それから女子とか、恋だとか興味がなくなったのね。するだけ無駄だなーって。バレーだけでも全然楽しくやって来られてるしさ･･･、だから俺もAちゃんと同じで異性に免疫がないし、今だって、すげー緊張してる。」

そう言い終わると彼は照れくさそうに外へと目をやる

『･･･私は、老け顔とか1度も思ったこともないです。大人っぼいなっては思いますけど･･･それに何度も助けられてますから、私にとって一静さんはスーパーマンですよ。』

何も言わずに窓を眺めてる彼を見ると
耳が赤くなっているのに気づき、
さすがの私も恥ずかしくなる

「俺、今から物凄く変な事言うと思うんだけど、いい？」

変な事とは･･･？と思いつつ
気にはなるのでゆっくりと頷く

少しの静寂の後、彼が口を開く

「俺と･･･、付き合ってくれませんか？」

その言葉の意味を完全に理解するのに
数分程度かかっただろうか

『あ･･･の、』

何か喋らなきゃ、と思うも
最適な言葉が見つからない

早くこの場から逃げたい
そう思っても、おそらく下まであと10分弱といったところ

今まで幾度か、異性から告白を受けたことはあった

その度に申し訳なくも断ってきた

凛ちゃん含め、周囲の友達が
恋愛で涙する所を何度も目にしてきた中で

自然と私の頭の中で恋愛というものは
ただ傷つく行為なのだと思ってしまっていた

だからこそ、怖かったのかもしれない

〝好き〟を知ってしまうことが

人を〝愛〟してしまうことが

好きが〝わからない〟じゃない

知ろうとしたくなかった

今までずっと逃げてたんだ

今の彼の言葉は理解すると共に頭に溶け込んできた
不思議と嫌な気持ちや、申し訳なさなどが
自分の中で感じられなかった

むしろ、ずっとドキドキしている自分がいる