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未だ息が切れた様子のリクオにAは「お水もらってきます」と部屋を出ていこうとしたが、リクオに腕を取られ、足を止める。
リクオ「Aちゃん」
A「はい」
リクオはじっ……とAの瞳を見つめたまま、彼女の名を呼んだ。
Aは焦ることなく相変わらず穏やかな笑みでリクオの言葉を待っている。
A「何でしょう」
リクオは彼女がAであることに確信を持って大きく息を吐いた。
そしてそっとAの腕を離す。
リクオ「いやー、ごめんごめん。何でもないんだけど、Aちゃんが一人で戻ったって聞いて、急いで来ちゃった」
いつもどおりのリクオの笑顔に先刻まで感じていた疑惑の気配はない。
A「それは……すみません。ご心配をおかけしてしまって。ちょっとピアノを弾きたいなと思っただけなんです」
申し訳なさそうに縮こまるAにリクオは優しく微笑んだ。
リクオ「ふふ、ほんとピアノ弾くの好きだよね、Aちゃん。そういえばさっき弾いてた曲、どういう曲なの? 昨日も弾いてたよね」
リクオはAの横に立ってピアノを見る。
Aも振り返ってピアノに視線を向けた。
しかし、リクオが表情を隠すように移動したことに気付かない。
A「有名な練習曲です」
リクオ「今まで聞いたことない曲だったからビックリしちゃったよ。昔弾いてたの?」
A「いいえ」
リクオ「え?」
肯定の意が返ってくることを予想したリクオは思わずAに顔を向けた。
Aは苦笑いでリクオの顔を見上げ、持っていたハンカチを両手で握り直す。
A「聞いたことがあるだけで弾けたんです」
その時リクオはAからある感情を読み取った。
気付いたのだ。Aは不安を抱いている、と。
ーーーAちゃんは気付いているんだ。自分の身に起きている異変に。
リクオはAの不安を少しでも失くそうを口を開いたが、
清継「やあ、ここにいたのか。二人とも! さては何かわかったのかい?」
海から帰ってきた清継が開いたままの扉から顔をのぞかせたため、リクオはため息をついて言葉を諦める。
清継の後ろから他のメンバーも顔をのぞかせた。
Aは清継の方に振り返って少し考えると、笑顔を浮かべる。
A「あの、清継さん。調べて欲しいことがあるんですけど」
Aの言葉にその場にいた一同は首を傾げるのだった。
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ピエロタ(プロフ) - とても面白いです！ぬら孫大好きで拝見させていただきました（笑）これからも頑張ってください！ (2018年4月23日 17時) (
レス) id: aeaffe1cd4 (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - めっちゃドキドキして見てます！次が楽しみすぎて更新の通知が来るごとに心が喜びの舞を舞います！w更新楽しみにして待ってます！頑張ってくださいね！ (2018年4月3日 16時) (レス) id: 7661e16b5d (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 次どうなるんだろうと思って進もうとしたら終わっていて、うわぁー!!ってなりました(笑)気になります！更新待ってます！頑張ってください！ (2018年4月1日 19時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moon | 作成日時：2017年3月31日 22時
