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氷麗「じゃあ別荘を建てて、ピアノは新しいものにしなかったってことですよね」
氷麗が思案しながら呟くと、清継はわざとらしく咳払いした。
清継「そう、このピアノは中古なんだ。この別荘を建てた音楽家が誰かから譲り受けた。僕はこのピアノを一番最初に使っていた人物が怪しいと思ってこのピアノの持ち主をたどったんだけど、結局見つけることができなかったよ」
静まった空気に島と夏実の2人が顔をしかめた。
島「なんか嫌な感じっすね」
夏実「正体わかんないのが一番怖いよ」
再び静寂が訪れた後、いきなりの不協和音が空気を揺らした。
カナ「何!?」
カナは青ざめた様子で声を上げ、他のみんなも驚いて体を震わせる。
見るといつの間にかAがピアノの鍵盤に手を置いていた。
一斉に注目を浴びたにも関わらずAは気にせず、そのまま今度は不協和音ではない美しい和音を奏でている。
A「別に普通のピアノですけどね」
音の正体がわかってカナは肩から力を抜いた。
カナ「びっくりした……。もう、驚かせないでよ、雲井ちゃん」
沙織「てか、Aってピアノ弾けるんだね」
沙織の言葉にAは眉を寄せて苦笑いする。
A「弾けるだけで、上手い訳ではないんですけど」
夏実「何か弾いてよ」
A「いいですよ」
夏実のリクエストにAは快く引き受ける。
Aはピアノの椅子に座り、さあ弾こうと第一音を弾いたところで鍵盤から手を離した。
異変に気付いたリクオが前に出てAの顔を覗き込む。
リクオ「どうしたの、Aちゃん」
するとAはパッと顔を上げ、「いえ、何も」と薄く微笑みながらかぶりを振った。
そして先刻とは違う鍵盤に手を置いて、曲を弾き始めるのだった。
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夕食に呼ばれた一同はダイニングへと向かっていた。
Aが一曲弾き終え、何の問題もなく音が出たので、カナは少し安心したようだった。
Aはあまりにも綺麗に音が出たことに驚いていたが、清継が先週この別荘を掃除してもらった時に調律師も呼んで調律してもらったことを説明され納得する。
カナとは対称的に清継は音が出たことにガッカリした様子だったが、夜にならなければまだわからないと意気込んでいる。
夏実「それにしても上手だったよAちゃん。さっきの何て曲なの?」
夏実に尊敬の眼差しを向けられ、Aは少し照れたように笑った。
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ピエロタ(プロフ) - とても面白いです！ぬら孫大好きで拝見させていただきました（笑）これからも頑張ってください！ (2018年4月23日 17時) (
レス) id: aeaffe1cd4 (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - めっちゃドキドキして見てます！次が楽しみすぎて更新の通知が来るごとに心が喜びの舞を舞います！w更新楽しみにして待ってます！頑張ってくださいね！ (2018年4月3日 16時) (レス) id: 7661e16b5d (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 次どうなるんだろうと思って進もうとしたら終わっていて、うわぁー!!ってなりました(笑)気になります！更新待ってます！頑張ってください！ (2018年4月1日 19時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moon | 作成日時：2017年3月31日 22時
