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伍拾玖 ページ44

貴女side




『すいませんでした……』


「次抜け出したら縛り付けますからね」


『はい……』





しのぶちゃんが怖いです。

凄い笑顔で脅されました。





『……しばらく逆らうのはやめておこう。
うん。そうしよう』





しのぶちゃんが部屋を出て行ってから

きよちゃんに渡された手紙を見る。





『ったく……今度はどんなお怒りの言葉ですか』





パッと手紙を広げれば

"南向きの窓を開けろ"の一言だけ。





『えっ……』





怖い怖い怖い怖い。意味が分かんないんだけど??

大丈夫か天元。頭は大丈夫か??(混乱中)





『と、とりあえず……』





刀を片手に窓に近付く。

そっと掛金を外して窓を押し開く。

その瞬間、





『ヒェッ』





物凄い速さで何かが窓枠に飛び乗った。

神速(笑)で抜刀し、刃先を突き付ける。





「ヒェッ、じゃねぇ!!てか刀おろせ!?」


『やあ天元!元気そうだね!!』





まあ天元なのは知ってたけど。

あえて刀を抜いたんだよ私は。うん。





「胡蝶から聞いたぞ師範!!
大怪我が一日二日で治るわけねえだろ!!」


『それが治るんだなぁ私はッ』





ガシッと天元の腕が回されてそのまま担がれた。

なんて事だ。





「師範が馬鹿みたいに頑丈なのは知ってるから
さっさと休んでくれ」

『馬鹿みたいに???』





聞き捨てならねぇなこの野郎。

失礼なヤツらばっかじゃねぇか!!!←





「師範」

『ッ……?』




脳内で荒ぶっていれば

天元の真剣な顔が目の前にあるのに気付かなかった。





「俺は、心配なんです。
俺にとって、師範も嫁達と同じくらい大事だから。

だから、……自分を大切にして下さい。
休める時はしっかり休んで下さい」





珍しく派手さのない天元。

傷に響かぬようにゆっくり寝台におろされた。






『…………ありがとう。
ごめんね天元、ちゃんと休むよ』


「分かれば良いんすよ」






ニカッと笑った天元を見て少しホッとする。






『そうだ、しばらくしたら天元も任務なんだって?』


「嗚呼。花街で人が消えてるらしくてな。
嫁たちに潜入して貰おうと思ってる」


『ふぅん……
ま、私に手伝えることがあれば言ってね。
"礎"は"柱"の補佐をしてなんぼなんだから』


「おう。ありがとな師範」





天元はそう言うと再び窓枠に飛び乗った。





「また様子見に来るぜ」


『待ってるよ。気をつけてね』





軽く手を振れば振り返してくれた。

陸拾→←伍拾捌



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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時

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