丗丗 ページ17
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『──────これが１２年前の話。
で、私が二十歳を越えた頃に天元と会って
"継子"になってもらった訳だけど……って』
師範の目が大きく見開かれる。
『どうして……天元が泣いてるんだよぉ〜！
もぉー！！本当に優しい子だなァお前はぁぁっ！！』
師範の両手が俺の頬に添えられる。
何だ、泣いてんのか俺。
地味だな、俺。
「ｯ…………ごめん、ごめんな師範。
俺…そんな事も知らねぇのに……酷い態度とって、」
俺と師範が会った時は
師範はまだ、傷ついてた時じゃねぇのか？
なのに、俺は酷い態度で師範にあたってた。
「ごめん……」
思わず顔を下げれば
師範の手が無理やり顔を上げる。
『誰も、悪くないって言ったろ？
過去を克服してない私が悪いんだよ。
もっと言えば鬼舞辻無惨が悪い』
ムッとした顔で言い切る師範。
その顔が面白くて思わず吹き出した。
「ふはっ……」
『な、何で笑うんだよ……』
「師範、すげぇ顔してたぜ？」
『む……』
さらにムスッとした顔をしつつも
師範は俺の目元の涙を指で拭う。
『……ま、天元は笑ってた方が良い。
お前の笑顔で私も楽しくなるからね』
優しく微笑む師範。
嗚呼、何でそんな綺麗に笑えるんだよ。
さっきまで悲しい音をさせてたクセに
もう楽しそうな音させやがって。
……自惚れちまうだろ。
「師範、今日は一緒に寝ても良いですか」
『えっ、何？甘えたさん？？』←
「……………………師範が逃げないように」←
『私脱走する気ないよ？？』
「いや、師範は悲しい気持ちを隠したくなると
真夜中でも脱走するじゃねぇか」
『べ、別に？？逃げてるわけじゃないけど？？』←
「布団は少し離れた所に敷きますから。
あ、でも俺が扉側だからな」
『めっちゃ疑われてる』
「じゃ、布団とってくるんで」
まくし立てるように言ってから
隣の部屋に敷かれた布団を丸めて担ぐ。
バサッと師範の布団から少し離れた所に敷いて
師範が布団に入るのを見届ける。
「電気、消しますよ」
『はいよー』
その返事を聞いてから電気を消す。
師範の心音はどこか落ち着きが無かった。
「師範……」
『んー……？』
ゴソゴソと動く音がして小さく返事が聞こえる。
話させちまったのは俺だけど
何とかゆっくり休んでもらう為になんか出来ねぇかな。
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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます！！長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……！芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー！！ (2020年2月2日 18時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
邑 - 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年1月26日 21時
