君は俺の犬。【赤司征十郎】 (ページ6)

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犬ページ6

朝霧は否定しているが、俺には分かってしまう。
イオンモールに突然現れたリ○ックマに、興奮して中の人に話しかけちゃったりするタイプだ。絶対。

「…まあ、まずは朝霧が遊びたいところに行こうか。」

「うん！」

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一通り乗り終わり、昼食を済ませた。
気付けば、もう午後だ。

「次はどこに行きたい？」

「お化け屋敷！」

元気な朝霧の答えで、俺達はお化け屋敷に向かうこととなった。

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「おもしれーなー！なー、あかしー！」

「嗚呼。そうだね」

朝霧は、著しく言葉を弾めている。
そこまでお化け屋敷が好きだったとは思いもしなかった。

ドンッ

「ほワぁ！？」

「シャラっ！？」

突然ぶつかり、両者よく分からない声をあげる。
誰だ…？そう思い、顔を確認するよりも早くに、朝霧が声をあげた。

「し、シャララデルモ！？」

「あ、朝霧っち！？そ、それに赤司っちも！」

「！久しぶりだね、黄瀬。」

そこには、金髪の黄瀬がいた。いつものように、シャララとかふざけた効果音が鳴らない。

「？どうしたん、駄犬。」

「ちょっ！駄犬は酷いっスよー！………あの、実は俺……」

黄瀬の目尻に、涙が溜まっていく。

「＿＿迷子になっちゃったんスよー！！
ぐすっ。笠松先輩と一緒に来てたんスけど、俺、はぐれ、ちゃって…っ！俺、お化け屋敷苦手なんスもん…」

ついに、黄瀬は泣き始めた。
お化け屋敷が苦手なら、何故入ったんだ…

「…子供かよ。…しゃーねーな。ほら、出口まで一緒に行ってやるよ。出口に先輩、待ってるかもしんねーだろ？」

「あ、あさぎりっちぃ…！！うわーん！ほんと感謝っスよー！」

「…じゃあ、行こうか。」

朝霧のこういう、真っ先に人を助けられるところは本当に尊敬する。
だけど、今はなにか違う。尊敬と他に、邪な何かが蟠りになって心につっかかっている気がする。

しかし、その真髄の核心に触れることはないまま、お化け屋敷から出てしまった。

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「じゃーな、キセ！もう迷子になんじゃねーぞ！」

「はいっス～！」

黄瀬が、手を振りながら笠松さんと共に去っていった。

「……ふぅ。」

朝霧が、安堵の溜め息を漏らす。
俺は、そんな朝霧の手首を掴んだ。

「い、痛っ！？ちょ、せ、征ちゃんどしたん？」

「………観覧車。乗ってもいいかな？」

俺は、近くの観覧車を指差した。

「…うん。分かった！」

＿＿そして、観覧車へと乗り込んだ。