24人目。 ページ25
私達が何者なのか…
まさか、たかが人間の青年にそんなことを悟られるとは思っていなかった。
彼は一体、私から何を感じ、Aから何を悟ったのか。
ここで姿を明かしてしまえば、Aが人間と解り合える日が来るのだろうか。
「…えと、赤司さん…でしたよね?
私達が一体何者なのか、気になりますか…?」
「もちろん」
______否。
相手が誰であろうと、答えなんて決まっている。
「…秘密です。
まぁ、私は世間一般で言う孤児みたいな物ですよ。A様やジンさんのことが知りたければ、本人を通して下さい」
私達の存在を知った人間の行動は一つ。
______人外への否定行為だ。
人間は、自分が理解出来ないことは信用しない。理解の追いつく範囲でしか考えない。
…そういう生き物なのだから。
「…成る程、そういうことか」
「…ぇ?」
彼は、私に真実を聞くことを諦めたかのように何かを呟くと、好奇心に満ちた笑みを浮かべていた。
そして_______"あと"と続けてくる。
張り詰めた空気は、気を落ち着かせてくれそうにない。
「これだけは聞かせてくれ。
君は_____桃井と面識があるようだが、桃井のことをどう思っているんだ?」
そっと、庭から森へ向かって桃色の花弁が舞って来る。ギュッと握りしめていた私の手にも一枚。
____桃の花。
…まるで、私に_____
「……っ。
私とさ……っ…彼女は関係ありませんよ。
私が彼女に抱えている感情なんて、貴方には一生わからないと思いますし。
_______人間である、貴方には、ね…?」
小声で、それも呟くように言葉を付け足す。
彼は、薄く微笑んで何かを考える素振りを見せ、ぐっと私に近づいてきた。
「……三葉さん、だったよね?
良かったら三ヶ月後にここに来てくれないか?
…Aも連れて」
そうして、彼は私にどこかへの地図を渡して来た。日程と道順まで丁寧に書いてあるものを。
8月2日。千葉県___市____体育館。
※実在する場所とは一切関係ありません。
「……A様が行く気になられましたら」
「来なかったら此処へまた来るよ」
そうして彼は、余裕の笑みを浮かべて森の中へと入って行った。
私が、地図を確認していると、不意に自分の中の理想の世界が変わっている事に気がついた。
『人間と私達が共に歩める世界が来れば、皆幸せになれる』なんていう理想に。
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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時