届け あの空に�� ページ33
「そ…それが…
ワシ等にもよく…
分からんのです…
正直…あの遺跡は何度も
調査しようといたしました。
しかし、近付けないのです」
「!?」
「遺跡に向かって歩いても…気が付けば村の門。
我々は遺跡に近付けないのです」
「ど…どういう事?近付けない?」
「オレ達は中まで入れたぞ!!ふつーに」
「こんな話…
信じてもらえないでしょうから
黙ってましたが…」
「本当なんだ!!遺跡には何度も行こうとした」
「だが、辿り着いた村人は1人もいねぇんだ」
村人達はそう言ってA達に訴えていた。
「やはり…か」
『私の仮説は当たってるみたいだね…』
「えっ?」
Aとエルザは小さく呟いた。
「流石は妖精女王(ﾃｨﾀｰﾆｱ)と妖精姫。
もうこのからくりに気が付くとはねぇ」
村に生える木の上で、
左頬を腫らしたザルティが呟いた。
「ナツ…ついて来い。これから月を破壊する」
エルザはそう言って鎧を換装した。
「おおっ!!」
「「「えーっ!!」」」
ナツは嬉しそうに、
グレイとルーシィとハッピーは
驚いた様にそう言った。
そうして、
ナツとエルザは村の高台に移動した。
「今からあの月を破壊する。
そして、皆を元に戻そう」
「目の前で見れるのか…月が壊れるのを」
「おお…」
「やっと元の姿に戻れるんだぁ」
村人達は期待を込めた眼差しで、
ナツとエルザを見つめていた。
「エルザ、月を壊すなら
あの遺跡の方が良いんじゃね?
ここより高いし」
「ここで十分だ。
それに、遺跡へは村人は近付けんからな」
興奮するナツと村人達をよそに、
グレイとルーシィは不安そうに見ていた。
「月を…壊すって…流石のエルザでも、
それは無理…だよな」
『それはどうかな?』
「な、何をするつもりだろ…?」
「ドキドキするね!」
「いろんな意味でね…」
「この鎧は"巨人の鎧"。
投擲力を上げる効果を持つ」
エルザはそう言うと、
自身の右手に1本の槍を出現させた。
「そして、この槍は闇を退けし"破邪の槍"」
「それをぶん投げて月を壊すのか!!
うおおっ!すっげ!!」
「「(イヤイヤ…無理だから…)」」
グレイとルーシィは、
心の中でナツとエルザにツッコミを入れた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月24日 11時
