闇の声�� ページ8
その時だった――
エルザを守る様に、
1人の老人が立ち塞がった。
「ロ、ロブおじいちゃん!!」
その老人は、
エルザ達が入れられた
牢の宥め役であるロブだった。
「こ、こんな老いぼれでも…
少しは役に立てて…良かったよ。
おじいちゃんはとっくの昔に、
"魔力"がなくなっちゃったけどね…
エルザちゃんにはまだ無限の可能性があるよ」
「おじいちゃん!!」
エルザは何度も呼び続けながら、
以前ロブと交わした会話を思い出していた。
エルザの過去――
「それは心…」
「心?」
エルザは不思議そうにしながら、
ロブの言葉を繰り返した。
「そうだよ。
全ては信じる心から始まるんだよ。
例えば占いや信仰や願かけなどは、
"魔法"の一種だと思って良いよ。
信じる者だけが感じる事の出来る奇跡なんだ」
ロブはそう言いながら、
エルザに優しい笑みを向けていた。
「魔法の存在を信じ、自分の力を信じ…
自然とともにある事を信じる者だけが、
"魔法"を使えるんだよ」
その言葉を聞いたエルザは、
晴れやかな笑みを浮かべていた。
「魔法…かぁ…何かステキ!
私…将来は魔法使いになって、
箒に乗って空を飛びたいな!!」
エルザは牢に置いてある箒に跨ると、
ロブの前で何度か跳んでみせた。
「出来るとも。
自由に、大空を…」
「そしたら、
おじいちゃんも
乗せてあげるね!!」
エルザはそう言って、
花が咲き誇ったかの様な可愛らしい笑顔を
ロブに向けたのだった。
「こんな場所で、
あんな笑顔が見れるとは思わなかった」
「おじいちゃん!!」
涙を浮かべながらエルザは叫ぶが、
ロブはその場で膝を付いて
ゆっくりと倒れていった。
「自由とは心の中にある。
エルザちゃんの夢は…きっと叶うよ」
ロブの背中には、
霞んだ赤色の妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)の
紋章が刻まれていた。
そして、
その目が開く事は
二度となかったのだった。
「おじいちゃーん!!」
「シモンを安全なトコに!!
エルザ!一旦退くぞ!!」
「ああぁぁ…!!」
エルザがロブの傍で泣き叫んでいると、
地面に落ちている剣達が
突然カタカタ、と音を立てた。
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ゆき(プロフ) - ランドさん» ランドさん初めまして！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！これからも温かく見守って下さると嬉しいです(^^) (5月20日 20時) (
レス) id: af9c55662b (このIDを非表示/違反報告)
ランド(プロフ) - いつも楽しみにしていて続きが気になります！これからも頑張ってください！応援してます！ (5月19日 13時) (レス) id: fd6767c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年5月7日 4時
