塔の上の女騎士と姫�� ページ46
『ナツ…?』
ナツはAの頭に手を回すと、
優しく自身の肩に寄せた。
突然の事でAは戸惑っていた。
「必ずオレがAを守る」
『ナツ…』
「前に言っただろ?
オレはAの王子だって」
『うん…ナツ、ありがとう』
「妬けるな。
あまりオレの前で、
Aに触れないで欲しい」
その言葉を聞いたナツは
Aを強く抱き締めた後、
耳元で小さく呟いた。
「行ってくる。
Aはしばらくここで休んでろ」
ナツはAから離れると、
再びエルザの元へと向かった。
「いつまでそこで寝てんだよ。
ジェラールを倒すんだろ?」
「ス、スマン…
身体が…動かなくて…」
「ほ〜う」
それを聞いたナツは、
何か思い付いた様に笑みを浮かべていた。
「普段酷ェ目に遭ってるからな!
これでも喰らえ!!」
ナツはそう言うと、
エルザの身体を擽り始めた。
「や、やめっ」
「かっかっかーっ!!」
ナツがエルザの身体をしばらく擽った後、
エルザは口を開いた。
「ナツ…Aとグレイを連れて、
今すぐここを離れるんだ」
「やだね。
お前が無理なら、
代わりにオレがやってやっからさ」
「よせ…相手が悪い…
お前はアイツを知らなすぎる」
「知らなきゃ勝てねぇもんなのか?」
「頼む…言う事を聞いてくれ…」
懇願するエルザの左目から涙が流れた。
「よっ」
「な、何を…」
『ナツ?』
Aとエルザが戸惑っていると、
ナツはエルザを抱き抱えた。
「エルザ、オレもお前を全然知らねぇ」
「えっ?」
「けど勝てる!!」
ナツがそう言いながら
自身の左手でエルザの腹部を殴ると、
その衝撃によってエルザは気絶してしまった。
その光景を見ていた、
Aとジェラールは目を見開いた。
「噂以上の傍若無人ぶりだな。
身動き出来ねぇ仲間を痛めつけて満足か」
「エルザが泣いてた…
弱音を吐いて、声を震わせていた。
そんなエルザは見たくねぇ。
エルザは強くて凶暴で良いじゃねぇか」
ナツはそう言うと、
今の自身の感情を表したかの様な
荒々しい炎を身体に纏った。
「目(悪い夢)が覚めた時、
いつものエルザでいて欲しいから
オレが戦うんだ」
「面白い…
見せて貰おうか、
ドラゴンの魔導士の力を」
その言葉を皮切りに、
ナツは右手に炎を纏って
ジェラールに向かったのだった。
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ゆき(プロフ) - ランドさん» ランドさん初めまして！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！これからも温かく見守って下さると嬉しいです(^^) (5月20日 20時) (
レス) id: af9c55662b (このIDを非表示/違反報告)
ランド(プロフ) - いつも楽しみにしていて続きが気になります！これからも頑張ってください！応援してます！ (5月19日 13時) (レス) id: fd6767c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年5月7日 4時
