ジークレインとジェラール�� ページ42
楽園の塔 最上階――
「だ…騙したのか…」
「可愛かったぞ、エルザ」
ジェラールを睨み付けるエルザに、
突然誰かが声をかけた。
「えっ!?」
「ジェラールも本来の力を出せなかったんだよ。
本気でやばかったから騙すしかなかった」
「ジークレイン!?」
目の前に姿を現したジークレインに、
エルザは驚愕していた。
「な、何故…貴様がここに!?」
エルザがそう叫ぶが、
ジークレインはそれを無視して
思い出話を始めた。
「初めて会った時の事を思い出すよ、エルザ。
マカロフとともに始末書を提出しに来た時か…
お前はジェラールと間違えて、
オレに襲い掛かってきた。
まぁ…同じ顔だし無理もないか…
双子だと聞いてやっと納得してくれたよな。
しかし、お前は敵意を剥き出しにしていたな」
「当たり前だ!
貴様は兄の癖に、
ジェラールのやろうとしてる事を
黙認していた!!
いや…それどころか私を監視していた!!!」
「そうだったな…そこはオレのミスだった。
あの時"ジェラールを必ず見つけて殺す"とか
言っておくべきだった」
ジークレインはそう言いながら、
双子の弟であるジェラールに歩み寄った。
「しかし…せっかく評議院に入れたのに、
お前に出会ってしまったのが
1番の計算ミスだな」
「咄嗟の言い訳ほど、
苦しいものはないよな」
その言葉を聞いたエルザは、
ジークレインとジェラールを睨み付けた。
「やはり…お前達は結託していたのだな…」
「結託?それは少し違うぞ、エルザ」
ジークレインとジェラールは、
全く同じ笑みを浮かべながら口を開いた。
「オレ達は1人の人間だ。最初からな」
その瞬間――
ジークレインの身体が映像の様にブレて、
その場から姿を消したのだった。
「そ、そんな…まさか…」
「"思念体"か!?」
思念体とは、
実態を持たない分身を作る魔法の事だ。
「そう、ジークはオレ自身だよ」
今まで評議員として
生きていたジークレインは、
評議員の1人であると同時に
楽園の塔の支配者でもあった。
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ゆき(プロフ) - ランドさん» ランドさん初めまして！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！これからも温かく見守って下さると嬉しいです(^^) (5月20日 20時) (
レス) id: af9c55662b (このIDを非表示/違反報告)
ランド(プロフ) - いつも楽しみにしていて続きが気になります！これからも頑張ってください！応援してます！ (5月19日 13時) (レス) id: fd6767c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年5月7日 4時
