討論の行く末 ページ22
魔法評議会会場 ERA――
評議員達の討論の行方を、
Aは静かに見守っていた。
「楽園の塔への
エーテリオン攻撃。
賛成票4、反対票5…
以上によって、
エーテリオンの使用は
見送りと議決します」
最後の最後までジークレインは説得したが、
過半数を超える評議員の票は集まらなかった。
『(良かった…)』
「待て!!
アンタ達はこの状況を、
本当に理解しているのか!?」
Aが討論の結果に一安心していると、
再びジークレインは説得を始めた。
「見苦しいぞ、ジーク。
もう十分に議論した…
平和的な解決の道もあるんじゃ」
「平和だと?
今こうしてくだらねぇ事に
時間を費やしている一方で、
歴史は動こうとしている!!
ジェラールは死者を、
蘇らせようとしてるんだぞ!!!」
ジークレインは必死に叫ぶが、
評議員達はそれを聞き入れようとしなかった。
「そうは言っても、
Rシステムが本当に作動しているかどうかも
分からんのが現状だろう」
「攻撃など早すぎる」
「アンタ達は感じねぇのか?
溢れ出る"負"の魔力。
奴が蘇らせようとしてる者の恐ろしさを」
「何じゃと?」
「ジーク、それは一体…」
「今まで黙っていたのは、
万一情報が漏れたらパニックになるからだ。
しかし、やむを得ねぇ…」
「何の話をしているのだ」
「全て話せ!!」
評議員達に問い詰められたジークレインは、
その魔導士の名前を口にしたのだった。
「黒魔導士ゼレフ」
『(ゼレフって…!?)』
その人物の名前を
聞いたAは驚愕し、
評議員達は言葉を失っていた。
「き、貴様…今、何と…」
「それは本当なのか!?ジーク」
「本当だ。
オレはジェラールの事を、
誰よりも理解している。
アイツは双子の弟だからな…
もう一度討論を始めよう」
『(そ、そんな…)』
ジークレインの言葉によって、
Aは再び死の恐怖を感じていたのだった。
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ゆき(プロフ) - ランドさん» ランドさん初めまして！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！これからも温かく見守って下さると嬉しいです(^^) (5月20日 20時) (
レス) id: af9c55662b (このIDを非表示/違反報告)
ランド(プロフ) - いつも楽しみにしていて続きが気になります！これからも頑張ってください！応援してます！ (5月19日 13時) (レス) id: fd6767c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年5月7日 4時
