月に吠える�� ページ11
「やめる…?
エルザはコイツ等が、
憎くないのか?」
「に…憎いけど…そんな…」
「ダメだ。
そんな事では、
ゼレフを感じる事は出来ない」
「ジェラール…
しっかりしてよ…
きっと何日も拷問を受けてたせいで」
「オレは正常だよ」
そう答えたジェラールは、
エルザの方に振り向いた。
「エルザ、一緒にRシステム…
いや、楽園の塔を完成させよう。
そしてゼレフを蘇らせるんだ」
「バカな事言わないで!
私達はこの島を出るのよ!!」
それを聞いたジェラールは、
ピクッ、と眉を動かした。
「きゃぁあっ!!」
その瞬間、
ジェラールの手から
放たれた魔法弾によって
エルザは後方に吹き飛ばされた。
「う、あう!」
「良いよ。
そんなに出て行きたければ、
1人でこの島を離れると良い」
「1人?」
「他の奴等は全員オレが貰う。
楽園の塔の建設には人手が必要だからな。
心配しなくて良い…
オレは奴等とは違うんだ。
皆に服を与え、食事を与え、休みを与える。
恐怖と力での支配は、
作業効率が悪すぎるからな」
「何言ってるの!?
みんなはもう船の上なの!
私達を待ってるのよ!!
今更こんな場所に戻って、
働こうなんて誰も思わないよ!!!」
「それは働く意味を、
与えなかった"奴等"のミスだ。
オレは意味を与える…
"ゼレフ"という、
偉大な魔導士のために働けとな」
「ジェラール…
お願い…目を覚まして」
エルザが必死に懇願するが、
それはジェラールに届かなかった。
ジェラールが
右親指と人差し指で
何かを掴む様な動作をすると、
近くの岩から腕が伸びて
エルザの首を絞めた。
「く…苦しい…」
「お前はもういらない。
だけど殺しはしないよ…
邪魔な"奴等"を、
排除してくれた事には感謝してるんだ。
島から出してやろう。
"かりそめの自由"を堪能してくるが良い」
「ジェ…ラール…」
エルザはジェラールの名前を呟きながら、
目に涙を浮かべていた。
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ゆき(プロフ) - ランドさん» ランドさん初めまして！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！これからも温かく見守って下さると嬉しいです(^^) (5月20日 20時) (
レス) id: af9c55662b (このIDを非表示/違反報告)
ランド(プロフ) - いつも楽しみにしていて続きが気になります！これからも頑張ってください！応援してます！ (5月19日 13時) (レス) id: fd6767c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年5月7日 4時
