475話 ページ25
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「こんな朝っぱらから俺を呼び出して、何様のつもり?」
「正午は朝じゃなくて昼だろ?まぁリッツをこんな時間に呼び出したのは悪いと思ってるけどさ〜」
へらへら笑っていた王さまを、俺はなんの前触れもなくいきなり殴った
勢いが強かったみたいで、王さまはよくある漫画みたいに吹っ飛んでいった
ぽかんとしちゃってさぁ…
「Aの細い腕に、誰かさんのせいで痣ができてたんだけど」
「それで急に殴ってきたのか…怖いなおまえ!いつからそんな凶暴な子に育っちゃったんだ〜?」
「…」
「…まぁいいや」
俺が睨みつけたまま黙っていると、興味を失ったのか王さまはすぐに本題に入った
つまらなそうな、冷えきった目をしてる
「愛しのAちゃんに、決闘を申し込んできてほしい」
「嫌に決まってるでしょ。逆にどうして引き受けてくれると思ったの」
「おれは今からあいつのライブを見る訳だけど。微妙ならこの話は無かったことにしていい。でも、この単独ライブが大成功だったなら申し込みに行け」
「は、はぁ?」
まるでおれの言葉が聞こえてないみたいに、そいつは綺麗に無視してきた
何なのこいつ…
「だから何の理由があって…!」
「王さまの命令は、絶対」
「…!?」
「そうだよなぁ、リッツ?」
その戦に飢えたような目だけは、昔と変わらなかった
誰であろうと許さないような、そんな威圧感を覚えさせられる
でも…だからって…
『〜♪〜♪』
「っ…」
こんなに頑張ってるAに、さらに追い討ちをかけるなんてあんまりだ…
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時