469話 ページ19
✩
私は全力で考えた
翌日も、その翌日も夜遅くまで練習して
妖精さんに助けられたりしながら、私は毎日レッスンを続けた
「…」
「ぼ〜っとしてるね…ふぁ、あふ♪」
「え?うん…あはは、ちょっと疲れちゃったみたい」
「…今日だね。単独ライブ」
「うん…」
怖い…
視聴者さんに、野次馬に、全然知らない人達にどうやって思われるんだろう
決して手は抜かなかった
だから大丈夫…とは言いきれないけど
「…りっちゃん?」
「え?あぁ、なに?」
「いや…スマホ眺めて、どうしたのかな〜って」
「ううん。何でもないよ」
ほんとかなぁ?
まぁりっちゃんを信じてるから疑いはしないけど
「…行こっか!」
「そうだねぇ。ふぁ、あふ…」
「眠たいなら無理しなくて良いんだよ?今日はせっかくの休日なんだし」
「ううん。俺も丁度そこで待ち合わせするから」
「そうだったの!?知らなかった…」
いつもとはまた違った震えだった
印象と違うって言われたら?
色んな不安ばっかりが頭に浮かんでくる
もし誰も来てくれなかったら…
「ね、ねぇA…あれ」
「え?…っ!?」
ショッピングモールまで歩いて行くと、大勢の人で賑わっていた
休日ってだけで、ここまで人が多いことあったっけ…?
も、もしかしてこれ…
「A。俺はいつでも見守ってるからね」
「う、うん。ありがとう♪」
「…一人じゃないよ」
「大丈夫。ちゃんと知ってる」
この人達みんな、私を人目見るために集まってきてくれたの…?
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時