幸せのおすそ分け１０【あんスタ】 (ページ28)

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478話ページ28

✩

｢…い！お～い！A～！｣

｢へ？｣

気がつくと、スバルくんに呼ばれていた

皆も私のことを見てる…

…はっ！

｢ご、ごめんなさい！えぇと…もう一度良いですか？｣

｢268ページの6行目からな。ライブで疲れてるのも分かるけど、授業はしっかり聞いとけ｣

｢は、はい…｣

｢それじゃ、そこから読んでけ｣

りっちゃんとの決闘まであと数週間しかない

既に日程が決まってるなんて聞いてないんだけど…

しかも場所は夢ノ咲学院の講堂

不安で胸がいっぱいだし、私が負けたら今度こそりっちゃん達と離れ離れにされるに決まってる

そんなの、絶対に嫌だ…！

｢よし。そこまでな｣

｢…｣

｢この時Kさんは恋心を抱いていて…＿＿｣

授業なんか、全然頭に入ってこなかった

どうしよう…

どうしたら、私の大好きな…尊敬してるりっちゃんに勝てるの？

しかも時間は夜に行われる

月永さんのことだから、分かっててやってる

｢今日はここまで。自習してくるんだぞ～｣

｢起立、礼。着席｣

その後私は休み時間全部を使って曲を頭に入れた

振り付けは？

どうしたら皆が私に注目してくれる？

考えろ考えろ…もっといっぱい考えろ

｢Aちゃん…凄く必死だね｣

｢俺たちにも何か手伝えたら良いんだが…｣

｢うん…｣

皆が心配してくれている声も、今は耳に入ってこなかった

不安と恐怖だけが、日に日に増えていった