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六十八話は治安悪 ページ18

凛月はしゃがむと、その人と目線を合わせた

よく分かってない私ですら怖い


「いつもみたいに、お互い擦って気持ちよくなってなよ♪」

「っ…!!?」

「はぁ、マジかよ…ここの治安はどうなってんだ」

「よく見かけるからねぇ」


赤面したまま、男の子は地面に手をつきながら走っていった

りんごみたいに真っ赤になってたな

ていうか…


「大丈夫ですか!?ま、まさか凛月、この人たちのこと殴ったんじゃ…」

「そいつは俺の仕事だったから安心しろ」

「え、えっと…?」

「鬼龍紅郎だ。こんな形で初めましてって言うのも、格好がつかねぇけど許してくれ」


確かに喧嘩強そうな見た目してる…

で、でも!


「殴るのは良くないですよ!」

「あ、あぁ…そうだな。悪かった」

「ふふっ…♪」


この人がいなかったら、私はキ、キス…を、されてたんだろうし、ちゃんと感謝しないと


「さっきは本当にありがとうございました!おかげで、その…キス…を、されずに済みましたし」

「(キスどころの騒ぎじゃなかったけど…)」

「ははっ。たまたま通りかかっただけだ、気にすんな」

「ありがとうございます!」

「それじゃ。俺は空気読んで、もう行かせてもらうぜ」


空気を…?

そう言って、鬼龍先輩は立ち去った

あんな大人な対応、初めて見た…


「A」

「ん?」


凛月は私の手を優しく取ると、自分の頬に近づけた

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2022年3月30日 15時

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