言ってた通りでした ページ12
｢A先輩｣
｢…？｣
｢これあげます。つけてください｣
｢あ、ありがとう。でも、何もしてないのに受け取れないよ｣
｢A先輩に絶対似合う香りですから｣
もらっちゃった…
何かお礼を考えないと
｢A、なんか今日いい匂いがするな｣
｢うん。分かるんだ｣
｢そりゃもちろん…です。だろ？｣
｢真緒どうしたの｣
真緒、駄目だよ…
薬は一度でも手を出したらもう元の生活には戻れないのに
うるっときてると、真緒はいつもの真緒らしくないことをしてきた
｢えっと…抱きしめても良いですか？｣
｢ま、真緒…｣
｢ん？って、どうして涙目になってるんだ！？俺なにかしちゃったか！？ごめんな！｣
｢私は真緒が捕まっても、帰りを待ってるからね…｣
｢なんの話だ！？｣
説明すると、真緒に全否定された
えっ…
｢ほ、本当に？鞄の中とか、身体に隠したりしてない？｣
｢うっ…し、してないって！だいたい、そんなことする訳ないだろ？｣
｢うん…｣
安心して、私はつい真緒に抱きついてしまった
｢よかった…｣
｢そ、そんなに心配されてたのか｣
｢凄く心配したんだよ。だって、急に変なことするんだもん｣
｢変なこと？ってまさか…｣
真緒？
急に黙りこんだ真緒が気になって見上げると、何故かまた顔が真っ赤になってた
真緒って、よく赤くるよね
｢そういうことか…！！｣
｢…？｣
｢えっと、その…俺が急に変なことしてごめん！彼氏っぽいこと全然してないな〜って思ってさ、色々頑張ってたんだけど…｣
本当に、あんずちゃんの言ってた通りだったんだ
｢情緒不安定だったよな…心配させてごめん｣
｢ううん。そうだったんだ…♪｣
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年6月14日 16時
