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視線 ページ45

衛士「伊東先生の仇!!」

千鶴「きゃあああ!!」

千鶴の悲鳴にAは振り返った。
目視するよりも早く千里眼が状況を把握し、何が起こったのは彼は即座に理解した。
だが、彼が動き出すよりも早く千鶴を助けた者がいた。

藤堂「千鶴っ!!!」

閃光の様に煌めいた刀は藤堂の手を離れ、一直線に千鶴に襲い掛かった衛士の隊士を貫いた。

衛士「ぐわっ!!」

衛士を倒した事を確認した藤堂はホッと息をついた。
だが、藤堂と対峙していた天霧は無造作に藤堂の襟首を持ち、藤堂の身体を持ち上げた。

天霧「見上げた度胸です。」

その刹那、千里眼にほんの先の未来が写った。
天霧の拳が藤堂の身体にのめり込み、身をのけぞらせて吐血する光景が。

貴女「っ!!」

天霧「だが、愚かだ。」

千里眼で視た通り、天霧の拳は藤堂の身体にのめり込んだ。
まるで、時がゆっくりと動いている様に見える。

千鶴「平助君っ!!」

それなのに、千鶴の声だけが嫌に耳に響いた。
重力に逆らい、宙を舞った平助の身体は、今度は重力に従って地面に落ちた。
真っ先に藤堂に駆け寄った千鶴は、狂った様に何度も藤堂の名を呼んだ。
そして、原田と永倉も遅れて藤堂に駆け寄る。

沖田「平助・・」

全員の視線が藤堂に向けられたのち、京助は、

京助「行こう。」

と、感情のない声で不知火と天霧に言い放った。
そして、藤堂に駆け寄ろうとしていたAに声をかける。

京助「長州は・・」

貴女「?」

彼が振り向いたのを確認し、京助は続けた。

京助「長州はこれから大勝負を幕府に仕掛ける。
故に傭兵『鬼殺し』をこのまま野放しにしておくつもりは毛頭ない。」

京助は不意に人型の紙の頭部を針で突き刺し、それを彼の足もとに投げつけた。

京助「覚悟しとけ。」

京助の言葉を最後に三人は姿を消した。
直後、彼の横を通り過ぎる様に風が吹き抜け、Aの艶髪を揺らす。

貴女「・・・。」

Aはグッと唇を噛み、沖田を見た。
沖田もまた、彼を見て、不安そうに頷いてみせる。

貴女「まずは藤堂君の怪我だね。
それが済んだら、一度ゆっくり話そう。」

沖田「うん。」

沖田は不安げな感情を表情に残しながら、納刀した。

本心→←蟠り



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岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>なんだか、私のところで言う「エライ」に似てますね〜^^ 私のところも「エライすごい」で「とてもすごい」って意味になるんですよ〜 1mも積もる雪なんてお目にかかった事がないですよ! それだけ積もると、ちょっと怖いですね (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 姫百合さん» 姫百合さん>なかなか心の内を話さない主人公なので、ここまでくるのもなかなか大変でした(笑) 試練も二人で乗り越えてくれると信じてます!← なんにしろ、ここから最終章までが踏ん張りどころですね〜^^ (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 岬鬼さん» 「なまら」は確か[とても]という感じの意味だったと思うので「なまらスゴい」(とてもスゴい)という感じに… 私も行っててみたいものですw それくらいは積もるんじゃないですかね 私の家の庭は雪が積もっても放置しているのでいっつもスゴいことになっているんです;; (2015年3月3日 1時) (レス) id: dcc2cda9a3 (このIDを非表示/違反報告)
姫百合 - 何だかほんまにどんどん甘くなってきましたね〜^^試練があっても、二人なら乗り越えられるはずですよ♪← (2015年2月23日 12時) (レス) id: baac39ec53 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>いえいえ、テストお疲れ様です^^ 「なまら」は聞いたことありますよ!使い方は分かりませんが汗 そうなんですか!でも、一度は雪まつり行ってみたいです^^ 積雪1メートルは軽く超えるイメージがあるんですが、本当にそんなに積もるんですか? (2015年2月21日 21時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:岬鬼 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2014年4月1日 23時

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