検索窓
今日:27 hit、昨日:13 hit、合計:213,023 hit

事情 ページ40

貴女「京助さん、何故私の千里眼を妨害したの?」

今、この時でさえ霞んでしまっている千里眼を妨害している男にそう問いかけた。
Aは長州に雇われている傭兵だ。
京助が彼の千里眼を妨害する理由などないはずなのだ。
現に、今でも定期的な情報提供を行っていたのだ。

京助「このままいけば、お前が敵になる事は目に見えていた。
霊能力者を敵に回す事は本位ではない。」

自らの心が揺れた事を彼は感じ取った。
図星を付かれたのだろうか。
Aの無自覚だった感情が、僅かに見えた。

京助「俺はお前と同じ千里眼を持っている。
会う度、情報提供をする度、少しずつ新選組へと傾いてゆく心の変動を俺が見逃すはずがない。
A自身が無自覚だった事も視ていた。
それに・・」

京助は不知火を天霧に目配りをした。

京助「事情が変わったんだ。」

原田「事情?」

それまで二人の会話に耳を傾けていた原田は、ただならぬ気配に京助を直視した。
途端、その場にいた新選組の者達に悪寒が走る。
いや、もしかすると、薩摩の者達も悪寒を感じていたのかも知れない。
京助の放つ不吉な力に首を絞められたかの様な圧迫感が身体の自由を奪う。

原田「くっ・・」

永倉「左之!!」

京助を直視していたせいだろうか、原田は悔し気に膝を付いた。
永倉の声も耳に入らない。
Aには見覚えのある力、これは【念動】だ。

不知火「運が無かったなァ、原田。
お前にしては、呆気ねぇ最期だったな。」

銃口を原田へ向けながら、不知火は不適に微笑んだ。
かろうじて顔を上げた原田は、憎々し気に相手を見た。
だが、それを意外にも天霧が止める。

天霧「新選組の方々に提案があります。
そこにいる雪村千鶴君預けて頂けませんか?
そうすれば、君達を見逃しましょう。」

いつの間に来ていたのだろう。
藤堂に守られる様にそこに佇む千鶴の姿が視界に中に飛び込んできた。

天霧「あぁ、そうだ。
A君、君は自らの意思でこちらにきてください。
そうして頂ければ、雪村君の安全は保障します。」

心臓を握り潰されたかの様な痛みが走った。
京助の力に共鳴し、更に天霧の追い込みで彼の中の力が解放され始める。

京助「A、事情が変わったんだ。
長州は、お前が敵になるのなら殺した方がいいって。
ここで意志を見せてくれたら、俺も助ける事が出来る。」

貴女「私・・」

解放された力は一気に爆発すると、京助の念動を押し返した。

貴女「私も事情が変わったんです。」

決意→←応戦



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (309 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
402人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , アニメ , 岬鬼
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>なんだか、私のところで言う「エライ」に似てますね〜^^ 私のところも「エライすごい」で「とてもすごい」って意味になるんですよ〜 1mも積もる雪なんてお目にかかった事がないですよ! それだけ積もると、ちょっと怖いですね (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 姫百合さん» 姫百合さん>なかなか心の内を話さない主人公なので、ここまでくるのもなかなか大変でした(笑) 試練も二人で乗り越えてくれると信じてます!← なんにしろ、ここから最終章までが踏ん張りどころですね〜^^ (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 岬鬼さん» 「なまら」は確か[とても]という感じの意味だったと思うので「なまらスゴい」(とてもスゴい)という感じに… 私も行っててみたいものですw それくらいは積もるんじゃないですかね 私の家の庭は雪が積もっても放置しているのでいっつもスゴいことになっているんです;; (2015年3月3日 1時) (レス) id: dcc2cda9a3 (このIDを非表示/違反報告)
姫百合 - 何だかほんまにどんどん甘くなってきましたね〜^^試練があっても、二人なら乗り越えられるはずですよ♪← (2015年2月23日 12時) (レス) id: baac39ec53 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>いえいえ、テストお疲れ様です^^ 「なまら」は聞いたことありますよ!使い方は分かりませんが汗 そうなんですか!でも、一度は雪まつり行ってみたいです^^ 積雪1メートルは軽く超えるイメージがあるんですが、本当にそんなに積もるんですか? (2015年2月21日 21時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:岬鬼 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2014年4月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。