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質問 ページ31

土方「はぁ!」

京助「ふん!」

土方の渾身の突きを京助は軽くあしらってしまうと、足払いで土方の態勢を崩した。
器用に刀を反転させ態勢の悪い土方の眉間を狙って斬りこむが、土方は刀の鍔を蹴り上げてしまった。
両者互角。
そんな風に見えた。

土方「お前はAの何を知ってるんだ!?
何故、昔アイツと接触した!!」

ギンッ、と金属音が響き、京助の頬に一筋の切り傷をつけた。
退いた京助は頬を流れる血液を右手で拭うが、それは意味をなさない。
止めどなく流れる血に京助はニッと微笑んだ。

京助「そうだな、一発斬り込めたんだから答えないと。
何が聞きたい?」

土方「テメェ、バカにしてるのか?」

鋭い剣幕で京助を睨み付ける土方は、まるで鬼そのものだ。
だが、土方は冷静だった。
この好機を逃す手はないと判断する。

土方「なら、まず一つ。
アイツの持つ『もう一つの力』とはなんだ?」

更に鋭く細められた土方の眼光。
京助は少しも怯む様子を見せないどころか、温和に微笑んでみせた。

京助「目に見えないあの力、あれは【念動】と言う。
物を自在に操ったりする力だな。
A自身、無意識みたいだが。」

土方「念動だ・・?
なら、お前はいつからそれを知っていた?
いつからアイツと接触していた?」

京助「おっと、今の切り傷で二つ目の質問はなし。」

『チッ』と土方は舌打ちする。
再び京助へ殺意を向けた土方だったが、京助は刀を収めた。

京助「帰るのか?」

京助の視線の先にいた風間は一度彼を見たが、結局は何も言わずに背を向けた。
同じ長州の不知火だけが京助に反応し、風間と天霧は去っていった。
京助は土方に微笑みかけ、

京助「僕にいろいろ聞きたかったみたいだけど、今日はここまで。
また機会があればって事で。」

土方「むざむざ逃がしてたまるか!!」

激高しながら斬り込もうとした土方だったが、京助も不知火も一瞬で姿を消してしまう。
刹那、強風が吹き荒れた。
思わず顔を覆うように腕で防御すると、その間に僅かに残っていた気配さえも消えてしまった。

土方「クッソ!」

悔し気に土方が喉から声を絞り出した。
刀を納刀すると、土方は冷静に事態の確認へ意識を向けるのだった。

幼い日の彼→←もう一つ



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岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>なんだか、私のところで言う「エライ」に似てますね〜^^ 私のところも「エライすごい」で「とてもすごい」って意味になるんですよ〜 1mも積もる雪なんてお目にかかった事がないですよ! それだけ積もると、ちょっと怖いですね (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 姫百合さん» 姫百合さん>なかなか心の内を話さない主人公なので、ここまでくるのもなかなか大変でした(笑) 試練も二人で乗り越えてくれると信じてます!← なんにしろ、ここから最終章までが踏ん張りどころですね〜^^ (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 岬鬼さん» 「なまら」は確か[とても]という感じの意味だったと思うので「なまらスゴい」(とてもスゴい)という感じに… 私も行っててみたいものですw それくらいは積もるんじゃないですかね 私の家の庭は雪が積もっても放置しているのでいっつもスゴいことになっているんです;; (2015年3月3日 1時) (レス) id: dcc2cda9a3 (このIDを非表示/違反報告)
姫百合 - 何だかほんまにどんどん甘くなってきましたね〜^^試練があっても、二人なら乗り越えられるはずですよ♪← (2015年2月23日 12時) (レス) id: baac39ec53 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>いえいえ、テストお疲れ様です^^ 「なまら」は聞いたことありますよ!使い方は分かりませんが汗 そうなんですか!でも、一度は雪まつり行ってみたいです^^ 積雪1メートルは軽く超えるイメージがあるんですが、本当にそんなに積もるんですか? (2015年2月21日 21時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:岬鬼 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2014年4月1日 23時

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