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『わかってる、だからやめて』 ページ22

『私の部屋使っていいよ。』


断られる事など百も承知していた。
こう言えば、自尊心の高い土方が絶対にAの部屋へ訪れないという事も知っていた。
そして、意地を張って彼がAのいる場所より少しでも離れた部屋を使う事も。
全て予想通りだった。

貴女「甘いなぁ、トシさん。」

穏やかに細められた瞳は、少年が悪戯するかの様に微笑む。
風がそよそよ吹き荒れ、彼の長く藍色の髪は美しく靡いた。
蒼白い月を反射させる純白の袴、長く切れ長の瞳、どこか憂いを秘めた面持ち。
『美しい』と言う表現が驚くほど当てはまる青年だ。

貴女「視てたでしょう、京助さん?」

彼の声に応える者はいない。
だが、Aの耳には人知れず霊能力者の声が入って来ていた。
双眸を閉じ、彼にしか聞こえない者とひと時の会話を交わすと、Aは突然瞳を開いた。

貴女「わかってる、だからやめて・・」














土方「御陵衛士?」

翌朝、土方近藤の両名を訪ねた伊東は数十人の同志を連れて本題を切り出す。

伊東「如何にも。
同志と共に孝明天皇の御陵衛士を拝命する所存ですわ。」

そこで一度伊東は近藤を睨みつけた。

伊東「謀る方達と共に事を成し遂げられるなんて、とてもできませんし。」

近藤「あ、あれはですな・・」

伊東「それに山南さんの事以外にも隠し事がおありのご様子。」

近藤に反論を許さず、今度は伊東は土方へ視線を送った。
負けじと土方は伊東を睨み返し、

土方「要するに隊を割ろうってんだろ?」

と、いかにも『鬼の副長』と呼ばれる眼光を光らせた。

伊東「これは発展的な分離ですわ。
こちらの言い分も、そちらの隠し事も。
互いに胸の内に仕舞いましょう。」

鷹揚と答える伊東。
土方は立ち上がって、伊東を取り巻く者達を見下げた。
低い声音で土方は問う。

土方「お前達は後悔しないんだな?」

土方の視線の先には新選組幹部である藤堂平助、そして斎藤一の姿があった。
静かに居座る二人には迷いを断ち切ったかの様な強い光が宿っている。

まるで、新選組と御陵衛士を隔てるかの様に春の息吹は二つの隊の間を駆け抜けていった。

侵入者→←不安と恐怖



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岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>なんだか、私のところで言う「エライ」に似てますね〜^^ 私のところも「エライすごい」で「とてもすごい」って意味になるんですよ〜 1mも積もる雪なんてお目にかかった事がないですよ! それだけ積もると、ちょっと怖いですね (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 姫百合さん» 姫百合さん>なかなか心の内を話さない主人公なので、ここまでくるのもなかなか大変でした(笑) 試練も二人で乗り越えてくれると信じてます!← なんにしろ、ここから最終章までが踏ん張りどころですね〜^^ (2015年3月3日 19時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 岬鬼さん» 「なまら」は確か[とても]という感じの意味だったと思うので「なまらスゴい」(とてもスゴい)という感じに… 私も行っててみたいものですw それくらいは積もるんじゃないですかね 私の家の庭は雪が積もっても放置しているのでいっつもスゴいことになっているんです;; (2015年3月3日 1時) (レス) id: dcc2cda9a3 (このIDを非表示/違反報告)
姫百合 - 何だかほんまにどんどん甘くなってきましたね〜^^試練があっても、二人なら乗り越えられるはずですよ♪← (2015年2月23日 12時) (レス) id: baac39ec53 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 白夜さん» 白夜さん>いえいえ、テストお疲れ様です^^ 「なまら」は聞いたことありますよ!使い方は分かりませんが汗 そうなんですか!でも、一度は雪まつり行ってみたいです^^ 積雪1メートルは軽く超えるイメージがあるんですが、本当にそんなに積もるんですか? (2015年2月21日 21時) (レス) id: 6217ec00b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:岬鬼 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2014年4月1日 23時

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