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心の鍵 ページ44

Aは己の首に人差し指を立てて『殺せ』と言うような仕草をみせる。
その姿に近藤が重い口を開けて、言葉を投げかけた。

近藤「俺はAを殺す気など微塵もないんだ。
お前になんと言われようとも、お前が俺の大切な弟子であることにかわりはない。」

Aはその言葉に不意をつかれた。
呆気にとられ、言葉の意味を確かめるように心の中で反芻する。
だが、出た結論は彼が望んでいたものでは無い。
真っ黒い感情が幾重にも重なり、一瞬だけ彼の明眸が激しく揺れた。

貴女「歯の浮く台詞ですね。」

温和な表情とは裏腹に声はゾッとするほど冷淡かつ、低い。
襖から差し込む微かな光が彼の表情を浮かび上がらせ、くっきりと影を濃淡に彩る。
それが余計にAの表情を鋭くさせた。

近藤「A、俺は・・」

貴女「傭兵として依頼された仕事はきっちりとさせて頂きます。
ですが、それが済んだら早急に解放願います。」

近藤の言葉を遮り、Aは告げた。
寂しそうに面持ちを歪めた近藤へ彼は穏やかに微笑んだ。
優しげで誰もが恍惚してしまうA特有の仕草。
昔と見間違えてしまうほど変わっているAに近藤は、ただ戸惑っていた。

土方「A・・、お前、随分と変わったな。
破門されてから何があったんだ?」

貴女「・・・さぁ、トシさんは何があったと思う?」

揶揄する口調に土方は眉根を寄せた。
再三、土方の心を読み取ろうと試みるが、やはり土方の心を見る事は叶わない。

それも、そのはず。
昔からAと共に生活して来た土方は、心を読まれないように心に鍵をかける方法を編み出している。
Aが意識して千里眼を使える様になったのは最近だが、
それ以前から無意識に千里眼が使えたAに、土方は対処法を持っていたのだ。
だが、Aも、土方でさえも、全て無意識。


貴女「あの日に見た事は、これで黙っておくと約束しましょう。」

Aは再び不恰好な手作り人形を掴んだ。
その直後、彼が隠微に微笑んだ事は誰も気づいていない。
優雅に立ち上がり、会釈して退室していく頃に、
その場にいた近藤、土方、井上、山南は気まずそうに顔を見合わせるのだった。

不恰好な人形→←憎悪と尊敬を彼方へ


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設定タグ:薄桜鬼 , アニメ , 岬鬼   
作品ジャンル:アニメ
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岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん>いえ、そう質問してくださると私も勉強になります!ありがとうございます! (2015年3月28日 17時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 岬鬼さん» いえ、こちらこそ間違えてすみません!!(>_<) (2015年3月28日 9時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん>はじめまして、コメントありがとうございます。 いえ、主人公は女の子になります。男装している設定なんですが、わかりにくくて申し訳ありません! (2015年3月28日 5時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 質問なんですが、夢主は男ですよね? (2015年3月28日 0時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - ☆晴華☆さん» ☆晴華☆>それと、映画があんまり好きじゃないかな汗 大音量で聞くのがちょっと苦手(~_~;) (2013年8月24日 7時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:岬鬼 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2012年12月21日 18時

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