お門違い ページ39
陶器が砕け散る音が響き渡った。
千鶴が投げた茶碗は真っ直ぐと男に向かったが、それは弾き落とされる。
だが、たった一秒でも相手の気が紛れるのは大きい。
胸元から針を取り出し、目にも止まらぬ速さで投げ放つと、沖田に肩を貸して千鶴を守るように後へ退いた。
千鶴「お、鬼殺しさん！」
息を弾ませた千鶴が心配そうにAを見上げた。
Aは僅かに微笑むと、沖田を千鶴に任せて男を見つめた。
針が貫通した男の腕には傷一つない。
新選組と初めて会った日に見た“羅刹”を言われる獣。
“あれ”の存在が脳裏を横切って消えていった。
刀を構えなおし、男と対峙するが、
？？「・・ふん。」
軽く鼻を鳴らして納刀する。
訝しげな視線を向けるが、冷淡な男の視線をぶつかった。
？？「貴様等が踏み込んできた時点で、俺の役目も終っている。」
千鶴「・・鬼殺しさん、音がやんでいます。」
男の言葉に背後にいた千鶴がソッとAに耳打ちをした。
確かに音はやみ、千里眼には禍々しい光景が映し出された。
池田屋のその光景を千里眼で見ながら、再び男を見ると彼は背を向けて去ってゆく。
追う必要がないと判断したAは納刀し、沖田と千鶴を見やる。
貴女「千鶴ちゃん、おかげで助かったよ。
危ないところを、ありがとう。」
千鶴「は、はい！」
Aの言葉に千鶴は輝かしい笑顔で頭を下げた。
今度は沖田を見つめると、苦しそうな息遣いの沖田と目があった。
沖田「別に君なんかの助けなんて要らなかったのに。」
吐血しながらでも、沖田は強気に言い放つ。
Aは沖田と鼻があたる距離まで詰め寄ると、その顎に手を添えた。
恍惚する笑顔の瞳は冷淡で、そして美しい光が宿っている。
貴女「私がいなきゃ、沖田君、死んでたよ。」
挑発的な言葉だった。
もとより、仲が悪かったAのその言葉に沖田は殺気を漲らせる。
貴女「新選組の組長が傭兵に助けられたなんて笑止。
雇ったのは君の尊敬している近藤勇さん。
気に入らないなら、近藤さんに言うんだね。
私に当たろうなんて、お門違い。」
ソッと顎から手を離すと、軽い足取りで階段を下りていった。
血のこびりつく池田屋は生臭く、咽返りそう。
今だに忙しなく動き回る隊士達の間を縫って外に出ると、土方と近藤が視界に飛び込んできた。
二人が同時に彼を見た瞬間。
彼の意図に反して、二人の記憶が映像として流れ込んできた・・
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岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞いえ、そう質問してくださると私も勉強になります！ありがとうございます！ (2015年3月28日 17時) (
レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 岬鬼さん» いえ、こちらこそ間違えてすみません！！(>_<) (2015年3月28日 9時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞はじめまして、コメントありがとうございます。 いえ、主人公は女の子になります。男装している設定なんですが、わかりにくくて申し訳ありません！ (2015年3月28日 5時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 質問なんですが、夢主は男ですよね？ (2015年3月28日 0時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - ☆晴華☆さん» ☆晴華☆＞それと、映画があんまり好きじゃないかな汗 大音量で聞くのがちょっと苦手(~_~;) (2013年8月24日 7時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
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