尋問 ページ19
井上について行くと、近くの部屋から耳障りな騒ぎ声が聞こえた。
不安定に千里眼に映った景色は土方、沖田を含めた五人の好漢な男達が顔を連ねている。
その中に恐れている近藤の姿はない。
現実の景色と千里眼の景色を見間違わないように気を付けていると、不意に井上は広い部屋の前で止まる。
そして穏やかだが、よく通る声で、
井上「トシさん、彼を連れてきたよ。」
と、中に声をかけた。
すると騒がしかった雑音は消え、土方の低い声が返ってくる。
井上は襖を開け、Aを中に促した。
貴女「・・・。」
彼は促されるままに広い部屋の真ん中で正座すると、上座に胡座をかく土方を直視した。
厳しい土方の眼光に怯む事もなく、黙って相手の出方を伺うと、
土方「単刀直入に聞く。
お前は昨晩、あそこで何をしていた?」
と、眼光に比例する声音で問うた。
沖田「下手に嘘をつかない方がいいよ。
別にこのまま殺しちゃってもいいんだから。」
沖田が土方に倣って狡猾な言葉を吐く。
貴女「何もしていない。
私はただ、宿所を出てあそこで月を見ていただけ。」
沖田「君、ふざけてるの?」
沖田は唾棄と軽蔑を隠そうともせずに向けて腕を組んだ。
Aの夜陰のような黒い明眸が沖田を捕らえ、彼の人を惹きつける瞳に影が指す。
土方「やめろ総司。
なら、次の質問だ。」
貴女「(そう・・、じ・・・・、沖田総司!?)」
『沖田』と言う性に『総司』と言う名。
Aの脳裏に浮かんだ一人の少年を想像し、彼は千里眼に何か映る事を期待した。
だが、どれだけ沖田を見つめても千里眼には何も映らない。
土方「『鬼殺し』の傭兵に問う。
お前は何しにこの京へ訪れた。」
そんな事を考えている内に土方は話しを勧めた。
それは『質問』と言うより、『尋問』だと彼は思った。
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岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん>いえ、そう質問してくださると私も勉強になります!ありがとうございます! (2015年3月28日 17時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 岬鬼さん» いえ、こちらこそ間違えてすみません!!(>_<) (2015年3月28日 9時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん>はじめまして、コメントありがとうございます。 いえ、主人公は女の子になります。男装している設定なんですが、わかりにくくて申し訳ありません! (2015年3月28日 5時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 質問なんですが、夢主は男ですよね? (2015年3月28日 0時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - ☆晴華☆さん» ☆晴華☆>それと、映画があんまり好きじゃないかな汗 大音量で聞くのがちょっと苦手(~_~;) (2013年8月24日 7時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
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