救いの両手を差し伸べられるなら。２

救いの両手３２ ページ9

現在、駅前の喫茶店で一葉さんを待って居ます。


服装、矢張り違う物がよかったかもしれない。


『一葉さんまだかな』


注文した珈琲を飲み乍ら、持参した本を開いた。


暫く本を読み進めていると、視界の端にチラリと金が見えた。


矢張り、一葉さんは可愛らしい。髪を下ろして、全体的にシンプルな服装。凄く御洒落だけど。

「済みません！遅くなりました。」

『いえいえ、大丈夫です。……あれ、其方は……』


一葉さんの背後に、長い黒髪を下ろし、白く清楚なワンピースを身に纏った美少女が居た。


「あ、紹介します。Aさんも御存知の、銀です」


え。


銀って、あの黒蜥蜴の、銀さん？え？


「銀です。今日は宜しく御願いします。」


『こっ、声がめちゃくちゃ可愛い……』

「あー、Aさんもそう思います？」



＿＿＿＿と云う理由で、一葉さんと銀ちゃん、私の三人で買物に行く事になった。


三人でも楽しい。


あっと云う間に時間は過ぎて、夜と云っても可笑しくない時刻。

久し振りにこんなはしゃいだ気がする。



中原さんにも御土産を購えたし、今日は私に付き合って呉れた二人に感謝だ。


『あの、二人共、今日は付き合って呉れて有難う御座いました。それであの、何か御礼をと思って購ったのですが』

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