救いの両手を差し伸べられるなら。２

救いの両手３３ ページ10

二人を呼び止め、言葉を不自然に切った私を疑問符が飛交う目で見る一葉さんと銀ちゃん。


まあ当たり前だよな。


『お揃いの腕輪(ブレスレット)です。善かったら貰って下さい』


私は小さな紙袋を二つ、二人に差し出した。


貰って呉れるだろうか。気に入って呉れるだろうか。



「ふふ、Aさんも私と同じ考えでしたか！実は私もお揃いの物を購ったんです」

「………実は、私も」


『ええ？！』


可笑しそうに、しかし楽しそうに笑う一葉さん。

心做しか、普段表情の少ない銀ちゃんも楽しげだ。

これは驚いた。三人で同じ事を考えていたとは。


「では今から交換タイムですね！」


矢張り楽しげに笑う二人に、私も釣られて笑顔になる。


女子会、楽しい。ビバ女子会！


「じゃあ私から……。二人共仕事中に髪を結ってるから…」


そう云って渡された紙袋を受け取り、一葉さんと一緒に袋を開けると、綺麗なシュシュが顔を出した。


「わ、センス有りますね、銀。嬉しいです！有難う」

『本当だ。有難う御座います、銀ちゃん。』


濃紺に銀の刺繍をあしらった物。

黒に赤の刺繍をあしらった物。

其々私達をイメージして選んで呉れたみたいだ。これは嬉しくないわけがない。


「私は黒に金色の刺繍。」

手首に付けた物を見せてくれた銀ちゃん。


おお、と一葉さんと二人で歓声をあげた。


銀ちゃんも嬉しそうだ。


私は早速シュシュで髪を結った。

服の色と合っていてそれにも嬉しくなる。


一葉さんは手首に付けていた。

「仕事の時付けますね！」

ああ、そう云えば一葉さんは仕事時にお団子だった。

「さぁ、次は私の番です！」

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