【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が57こ ページ10

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翌日、ワンピースにサンダル、という軽装で私は駅前に向かって走った。
何故なら寝坊したから、30分の遅刻。
赤司君の為に私が急ぐのも癪だけど、昨日の今日だ。
さすがに遅刻はちょっとまずい。



駅前に着いてきょろきょろと辺りを見回すと……居た、昨日と同じ場所。



『……赤司君！』

「……寝坊？また今日も昨日と同じでAに嫌がらせされると思ってたよ」

『そ、そんな事さすがにしないし……』



赤司君は私の姿を下から上まで眺める、な、何か言われるんだろうか。
来るだろう批判を想定して、身構える。



「思った通り似合ってないね、何でその服で来たの？」

『……っはぁ？！』



やっぱりやっぱり！！
自分で私にワンピースを着て来いって言った癖に！
ここまで来ると呆れるというか何というか……！



律儀に言われた通り着てきた私が馬鹿みたいだ。
無視してれば良かった、行かなければ良かった。



『もう帰るっ！』



赤司君の馬鹿！アホ！
持ってきたバックを革にシワがよるぐらい握り締めて赤司君に背を向ける。
……すると後ろからクスクスと笑い声。



「……なんて、冗談だ。似合ってるから安心しろ、可愛いよ」

『……え？』

「遅刻してきたから、そのお返しでからかってみただけだ」

『……ど、どうせ嘘でしょ、』

「……さぁ？どっちが本音だろうね」

『……何それ……』

「映画館はこっちだよ、行こうか」



……訳分かんない。
面食らった私は怒る気力が失せた。
そのまま私の意見も聞かず、赤司君は歩き出してしまうから私も急いで後ろから赤司君の後を追う。



また、からかってるだけ、嘘だよね、絶対。
赤司君って何考えてるか分からないし。
でもそれっきり赤司君は私に何も言ってこなくなったから、私も無言でついていくだけ。



『ねぇ……何見るの……？』

「Aが好きそうな王道恋愛もの」



もしかしたらホラーとか見せられるかも、なんて思ってたけどそんな心配は必要無かった。
普通に席を取ると、飲み物を買って座る。



私にも飲みたいものを聞いて、オレンジジュースを買ってくれた。
……まさか赤司君と普通の事が出来るなんて。



隣で頬づえをつきながら画面を見ている赤司君に、何で何も言ってこないんだろうと首を傾げつつ私も前を向いた。



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