【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が63こ ページ16

.


ノートにシャーペンを走らせていると、横から感じる視線。
問題を見れば、全くAは手を付けていなかった。
大方全部分からないとかそんな所だろう。



「……何だ」

『べっつにぃー……』

「問題は？」

『分かんないもん』

「……はぁ、分かった。なら1問1問丁寧に解説してやる、ちゃんと聞きなよ？」



仕方無い、1から全て頭の悪いAでもすぐに分かるよう説明してやるか。
大輝と涼太のチームもかなり苦戦しているみたいだし、多少時間がかかっても大丈夫だろう。



1問ずつ問題の式をなぞりながら、公式を書いたり大事な所は文字にして赤いペンで書いてやったりと後で見返す事も出来るように解説していく。



「だからここはー……」

『……っ』

「分かった？」

『……え、あ……』



しかし一通り説明し終わって、Aの顔を見ると何故かAは少しだけ挙動不審だった。
ほんのり顔も赤い。



思わず僕も怪訝な表情になる。



「……何？どうかした？」

『いや、……だって……い……』

「聞こえない」

『だ、だから……か、顔……近い……』



椅子を動かして、僕から少し離れるA。



……まさか照れてる？



シャーペンを持ったまま俯くAに、S心をくすぐられた。



「……でもそんなに離れたら解説出来ないよ？」

『い、良いよ解説終わったんでしょ……』

「分かってないみたいだから、もう一度最初から説明してあげようと思ってね」



試しにもう一度、Aに近付く。
今度は先程よりも更に至近距離で。
Aの耳元で、囁くように解説を始めてみればAの顔は見る見る内に真っ赤に染まっていった。



初々しくて、可愛い。
今すぐ抱き締めて、Aがもっと照れるような事をいっぱいしてやりたい。
そんな衝動に駆られるが、我慢だ。



でも最後に、ふっと耳に息を吹きかけるとAは限界に達したのかガタンと大きな音を立てて椅子から立ち上がった。



『い、一旦休憩……！そ、そうしよう、水！飲んでくる……！』



そして耳まで真っ赤にしながら足早に逃げてしまった。



……やりすぎたかな。



だが、確実にAは僕に照れている。
好感度はまだまだマイナスから脱してはいないが、男として僅かに意識はしてくれているのか。



……本当に少しだが、0.5歩程度。
前に前進した。




.

意地悪が64こ→←意地悪が62こ

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す