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11話 ページ12

待ちに待った理科の授業の時間になって

運悪く理科室の席替えで後ろの席になってしまった私は真ちゃんと目が合うこともない

一応真面目に受けてるほうだから、ノートも教科書もしっかり書き取ってるけど

こんな離れてるのに熱心に授業きいてるもんななんてそんなこと言われて、嬉しくない女子がいるだろうか


実験が終わって、真ちゃんが静かに立ち上がった

「じゃあ、今日の授業はここまでだ」


しんちゃんの声とともに号令がなって

秒単位できっちり授業が終わるのも彼らしいなと少し笑みを浮かべながらお辞儀をした


ポッケに眠るチョコレート


ドキドキうるさい心臓


真ちゃんに予告してるあたり、私も結構馬鹿なことをしたなぁと自分を責めたくなる

真ちゃんからしたら今日もらうことが確定していて

…でも義理チョコだから、ここまで気にしてないのか


…すこし、だけ、ほんの少しだけ、胸がずきんと傷んだ


私はガタガタと立ち上がっていく生徒たちを横目に教科書とノートをたたみ、筆箱のチャックを閉めた


すると、黒板の方から何やら騒がしい声が聞こえて顔を上げた


「緑間先生!これ、先生のために作りました!」

真ちゃんの前にいるのはクラスでも優等生の可愛い子


まあわかってましたよ、そうですよね。
きっと真ちゃんは今日だけでたくさんもらってるんだろうな

あー早く私も渡して、誰からもらったやつかわかんないまま胃袋に放り込んでもらえないかななんて馬鹿なこと考えながらその光景を見守った

すると真ちゃんは眼鏡をあげて、「すまない。」といつもの目つきで彼女を見た

「実は潔癖症なのだよ。わざわざ作ってくれた気持ちは嬉しいが、毎年受け取っていないんだ」

女の子は、真ちゃんの冷たい言葉に「えーーー!受け取ってもらえない噂ほんとだったのー?!」と頬を膨らませて、真ちゃんの白衣を引っ張る


途端に顔が熱くなって
私は思わず下を向いた


昨日、受け取るって私には言ってくれた

私のチョコレートだけ受け取ってくれるんだ

「もらってよーー」


「だから無理だと言っているだろう」


「JKの手作りチョコだよ〜?」


「お昼の時間だ。はやく戻りなさい」



そんなやりとりをしている間に生徒たちはどんどん理科室からいなくなり、
彼女がチョコをポッケに突っ込んで理科室を出て私が最後の1人になった。



それを見送ったと同時に真ちゃんはドアをぴしゃりと閉めた






「え、」

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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時

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