10話 ページ11
『今年もバレンタインチョコ渡したいから、お家行ってもいい?それとも学校で渡したほうがいい?』
震える手で文字を打って、送信ボタンを押した。
きっとファンの多い真ちゃんの連絡先を持ってるなんて伝えたら、他の子達に嫉妬されてしまうだろう
私だけ知ってる連絡先に少し自慢げな笑いをこぼした瞬間に既読がついて
『明日は家に帰るのも遅くなる。学校でもらうのだよ』
とぶっきらぼうだけど少しあったかいいつも通りの真ちゃんのメッセージが返ってきた。
そんなたった二行なのに心が温かくなって
さっき作ったチョコレートを鞄にしまった。
手紙を書いて、私の思いを全て連ねて
どう思われるかなんてどうでもよかった
伝えたいと思ったから
次の日になって、少し浮かれムードの校内を歩く
なんとなく男子たちはソワソワしていて、彼女持ちの男はみんなの目の前で受け取ったりしてる
…すごいなぁ、
そんなカップルを眺めていたら真ちゃんに時間を聞くのを忘れてしまったことを思い出した
突然行ってみんなの前で『義理チョコだよーいつもありがと真ちゃん!』って渡すか…
私が真ちゃんと元から知り合いで仲がいいことはほぼみんな知ってるので、そんなことをしたらきっとみんなから羨ましがられるだろう
私はタイミングを探すために今日1日の時間割を頭の中で思い出して行った
今日の4限は理科、…理科室での授業
こんな絶好のタイミングはない
みんなが教室に戻った後に理科室にいる真ちゃんに渡すことができれば、完璧だと思った
朝の会の間ずっと真ちゃんにいつ渡せるかなんてことだけ考えていて
気がついたらみんながバタバタと一限の準備を始めていた
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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時