佰玖拾漆話 ページ12
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「娘さんを僕にください」
「ついにこの日が来たか」
あれからまた少し年月が過ぎた某日
俺の前にはあの日より成長した時透とAがいる。
「ちょっと待て、何で天元が当たり前のように挨拶されてんの?」
「うるせぇなぁ。こちとら大事な娘をかけた戦いの最中なんだから地味に静かにしてろ」
「いやだからお前ただの幼馴染だからね?」
キャンキャン騒ぐ晴樹を無視して時透を見据える
真剣な目をしてビシッと座る時透に相変わらずだなって笑っちまう。
「Aと無一郎くんは何年の付き合いだっけ?」
ふいに横に座る晴馬さんが口を開いた。
「中一の頃からなので10年です」
『あ、前世のも含めたら110年くらいかな』ってオイA、また晴樹が騒ぎ出すからやめろ。
「長いなぁ!いつもAといてくれてありがとう。中学生になった頃からAがよく笑うようになったのは無一郎くんのおかげだったんだね」
前世でもそうだったよ
時透に出会ってからAの笑顔が増えたんだ。
「この先もずっとAが笑顔でいられるように守ります、何があっても絶対に。今度こそ、一生幸せにします」
時透の言葉に柄にもなく目の奥が熱くなる
「え、天元…コイツ前にAに何かしたのか?」
「晴樹、お前は黙ってろ」
お前のおかげで涙が引っ込んだわ。
「晴馬さん、時透は本当に良い男なんだよ。時透ならAを絶対幸せにしてくれる…俺が派手に保証しますよ」
『師範…』
「宇髄さん……」
「それに、元々俺は時透にしかAを嫁にやるつもりは派手になかったしな」
だから時透、Aの事頼んだぞ?
そんでA、お前は前世の分までめいいっぱい幸せにしてもらえよ?
口には出さずに目配せすれば伝わったのか、時透は決心した目で、Aは泣きながらも頷いた。
「だから、何で天元が……」
「まぁ良いじゃないか!天元がここまで信頼してる子なんだ、間違いはないだろ!ハッハッハ!!」
めでたいなんて言いながら豪快に笑う晴馬さんに内心ホッとした
良かったな時透、小うるさい審査員が一人だけで。
「お前ら二人、ド派手に幸せになれよ?」
前世で叶わなかったお前らの姿を見るのが、今の俺の生きがいだからな。
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あい - 完結本当におめでとうございます!!とってもおもしろかったです!おつかれさまでした! (2022年10月10日 10時) (レス) @page16 id: 59a559ed23 (このIDを非表示/違反報告)
ライチュウLove - 無一郎がとても大好きで、いろんな無一郎の小説を探し回ってる中でも、この小説が1番ダントツで好きです!!無一郎に会いたい気持ちでいっぱいな時や、良い小説が見つからない時に、いつも読んでます!花言葉、面白いですね!素晴らしい作品をありがとうございました! (2022年7月19日 23時) (レス) id: 9cfbcd581d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - 完結おめでとうございます!途中から号泣しながら小説を読んでました!少しづつ見てきて、やっと最後まで見ることが出来ました。素晴らしい小説に出会えてよかったです! (2021年4月13日 1時) (レス) id: 9437ea24d0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 茜さん» 茜様、いつも暖かいコメント本当にありがとうございましたm(_ _)m好きだと言って頂けて本当に嬉しいです(*´ω`*)未来編書くの楽しかったです!!私の方こそ長きに渡り本当に本当にありがとうございました!また次回作でお会いできたら嬉しいです(*´ω`*) (2021年4月7日 9時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - あっ!未来編ありがとうございましたっ!!書くの忘れちゃったんですけどどうしても伝えたくて…本当におつかれ様ですっ!! (2021年4月5日 15時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮 | 作成日時:2021年3月27日 23時